ふと渡辺典子と言う女優が懐かしくなって、
昔観たことのあった作品をレンタルしてみました。

1982年公開の『伊賀忍法帖』です。

一言で言って昔よくあった邦画の感じが出ていて、
特に角川らしい作り込みが何とも懐かしく、そして良いのです。

当時、映画で忍者モノと言えばJAC、日本アクションクラブでした。
主宰が千葉真一で、看板俳優が真田広之と、
正に本作の出演者です。
今でこそ真田広之も渋いオジサン役もこなす演技派になっていますが、
当時はイケメンで格闘技系のアクションスターとして大活躍でした。
30年の年月は、本当に遠い歳月の変わりを感じさせます。

ヒロインの渡辺典子は、本作が映画初出演で主役級です。
薬師丸ひろ子と原田知世と並ぶ角川3人娘として、
その後主演作を連発していくのですが、
はっきり言ってこの3人の中では一番の美人女優でしたが、
何処か、何故か、他の2人に比べて地味目な活動になっていました。
余りに整い過ぎた美形が、返って災いしたのかとも思いました。
でも、本作での初々しい彼女の演技は、当時結構衝撃的で、
しかも役柄が一人3役で、新人の割に結構際どい演技があって、
それが又、ドキドキさせられるデビュー作でした。

出演者としては中尾彬の若い姿や、
佐藤蛾次郎など懐かしい男優陣は良かったです。
ヤクザの幹部役が良く似合った、東大卒の性格俳優、成田三樹夫が存在感を見せていました。
また、プロレスラーのストロング小林の濡場もある熱演には
当時とても話題になったものです。
女優陣は、美保純、風祭ゆきと日活ロマンポルノ出身の2人が、
実はとても演技派だったことを証明してもいましたし、
日活ロマンポルノの女優の役者としての実力の高さが良く判ります。
演技力があり、濡場をはじめとても艶っぽく妖艶な魅力が素敵です。

角川の「証明シリーズ」や「復活の日」などの超大作の後に、
特に上述の3人娘を起用したB級映画が結構面白く、
正に本作はその典型であり、
合わせて千葉真一の殺陣ワールドが加わって、
作品自身としてはちゃんと丁寧に作り込んであり、
有り得ない忍術・妖術は置いといて、
とても娯楽エンターティメントとしては良い作品になっています。

宇崎竜童の主題歌も、時代劇的では無いのが返って新鮮で、
とても印象的で良かったです。

評価は、: ★★★  3点です。
難しく考えずに、忍者モノを楽しむのには良い作品です。
また、若き日の渡辺典子に魅せられるのもお薦めです。
公開時代を懐かしむ人も、当時をまったく知らない若者も
それぞれが新鮮にして、今の映画に負けない魅力を感じられると思います。