まだ見つからない家族の


捜索を続けていた



誰が食べるもの

着るものに気をとら

われる人などいない


みんながそれぞれの
大切な家族
尊い命を救うために
必死だった…

自衛隊の方々

消防団の方々

みんな顔も身体も

真っ黒になり夜明け前から

日没まで捜索を毎日

命懸けで協力していただいた


カンカンカンカン!

カンカンカンカン!


地元の消防団長がポンプ車

の音を鳴らしながら

夫の名前を叫んでいたという


それは、父、じいちゃんを

見つけた知らせだった…


じいちゃん、瓦礫の山となった

所で見つかった…


じいちゃん、じいちゃん…

団長はじいちゃんの手を見た

だけで すぐわかったと…


人思いの温かな手…

家族をいつも守ってくれた

強い手…

じいちゃん …


じいちゃんと対面した小学生

の息子はじいちゃんにしがみつき

泣き叫んだ…


じいちゃん悲しむから

泣くな…

こぼれおちる涙を

必死にこらえながら

声を震わせ

夫は息子を抱いた


竹を割ったように善悪を

はっきりしていた父

人一倍厳しく孫たちも

半分怖い立場でも

いつも守ってくれた父


じいちゃん

命をかえりみず 守ってくれた

じいちゃん…


その数日後…

曾祖母が見つかった

ぴーちゃん…

寒かったね…苦しかったね…

早く温めてあげたい


あの時、地震直後に寒いから

と暖かな上着を重ね着して

もらったのは私だった


電気が止まって寒いから

重ね着しようねと

ぴーちゃんに綿入れを

着せた


津波で流された時

着ていたものが

海面に出られず重しに

なったんじゃないかと

自分を責めた…


早く暖かな

暖かな場所へ…


3月の彼岸の終わり頃

だった…


ある日の夢だった…

まわり一面、津波の爪痕と
なり海水の湖状態になった
田んぼの上

静まりかえった
暖かな日差しが差す一枚戸
の上に座り、頭にスカーフ
を巻いた女性が静かに座って
いた…

ゆらり ゆらり…

静かに板の上に座り
ただ前を見ていた

後ろ姿を夢の中で見た時

ばあちゃん!ばあちゃん!
溢れ出る涙で
声にならない声で
ばあちゃんとわかり
呼んだ…

「は…ぃょ…」

ばあちゃん…


とっさに目が覚め
夫に夢に出てきた事を
伝えた…

多分 ばあちゃん、あそこに
いるかもしれない…


夢に出てきた風景を伝え
ばあちゃんが見つかった…

冷たかったね…
苦しかったね…

寂しかったね…


ばあちゃん  いつも優しく

家族を支えてくれた…

ばあちゃん  

早くあったかい所に

いこうね…


家族が

あの地震でこんなにも

変わりはて

幾度も幾度も

地震、津波を

恨み、憎んだ…


そして…

助ける事ができなかった

自分を憎み続けた


なんで 

なんで


そう言われるたび

助かる方法を

そして

対処を

 迅速にできなかった

自分が  どう人に説明すれば

いいのかわからなかった…


迷い…

自己判断…


これはとっさに起きる災害では

絶対にいけないこと


普段から

万が一の災害あったら…



避難場所

それぞれの避難

家族、身近な人と

しっかり防災に対し

話をしておく事の

大切さを


大切な   尊い命を失ってから

では遅い事を

私は失ってから  胸に刻まれた


嘆いても 嘆いても

大切な家族は戻ってこない


助かって良かった

そう   素直に思える日は

何年もなかった


尊い命を守る


だから私は一人にでも多く

防災の対策の大切さを

伝えたい…


あなたの尊い命

あなたの大切な尊い命

のために…