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稀代の英傑

世にも稀な英傑である。
というと、些か言い過ぎな気がするかもしれないが、実際そうでもない。
これは本気(マジ)である。

レキシ。
池田貴史という日本のおじさんミュージシャンのソロユニット名である。
雑多なジャンルの楽曲に乗せ、その名の通り『歴史』がらみのおふざけ歌詞を綴るという芸風を徹底した、かなりキワモノアーティストである。
本人の風体は時代遅れのアフロに、さま〜ず三村似のおじさんという、恐ろしく限定されたキャラクターだが、侮ることなかれ、この方は稀代の表現者でござる。
こいつは凄い。

何が凄いかと、その音楽クオリティーである。
ロック、ブラックミュージック、ヒップホップ、様々なジャンルを跨り、それぞれの領域で惚れ惚れするような名曲を紡ぐ。
それに歴史がらみのおふざけたっぷりな歌詞を乗せるのだが、そのセンスが抜群なのである。
椎名林檎や斉藤和義など、ありえないほど大物ミュージシャンをフィーチャーしているのだが、それもこの高い音楽性が惹きつけるのだろう。

以前から噂は聞いていて、ファーストアルバムなどを聴いて存じ上げていたのだが、『ビクターロック祭り』という音楽フェスでライブ拝見の機会がござった。
その時のムーブメントが異常であった。
サンボマスターやドラゴンアッシュなどの大物アーティストも出演で、もちろんそちらのライブも大盛況だったのだが、この日一番の客入りはレキシだったのではないかというほど、このおっさんの支持率は高かった。
ふざけ放題の歴史ネタ縛りのキワモノアーティストでこの現状は異常事態ではないか??
しかも、レキシのオフィシャルグッズとして稲穂の実物大グッズ(かなりリアル)があるのだが、フェス会場のすれ違う人の半数以上がそれをカバンに挿しておった。
ライブ中はそれをフリフリ。
これも異常な光景であった。
ライブも素晴らしく、漫談のような抱腹絶倒の内容であった。

こんなキワモノアーティストがフェスの主役クラスを担うという日本の音楽シーンが若干不安になったが、気づけば私も彼に夢中になっていた!!
今はほとんどヘビロテだが、オススメアルバムは2nd『レキツ』。
CM曲にもなったという、椎名林檎をフィーチャーした『キラキラ武士』が有名らしいが、この曲に続く3曲目『ペリーダンシング』4曲目『どげんか遷都物語』なんかはマジで名曲。
ユーモラスな歌詞はセンス冴え渡っているが、曲だけ聴くと惚れ惚れするような仕上がり。
他にも『妹子なぅ』『狩りから稲作へ』など名作多し。
 
このクオリティと馬鹿馬鹿しさのハーモニーがいいんだなぁ。
このアーティストはずっと支持されて欲しいし、応援したいでございまする。

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稲穂