最近見た夢の話である。

 

 

 つづら折になった山道を歩いている。

 

 その山道を先に行くと、巨大な廃墟があることを自分は知っていた。

 

 その廃墟では昔、夜な夜な華やかな舞踏会が行われていたという。

 

 

 自分は、そんな廃墟の前に立っていた。

 

 朽ち果てた洋館へは、地下室の割れた窓から侵入出来た。

 

 昼なのだろうか、夜なのだろうか、廃墟の中は真っ暗である。

 

 真っ暗な廊下を、スマホの灯りを頼りに歩く。

 

 

 するといきなり、どこからかショパンの『華麗なる大円舞曲』が流れ始めた。

 

 音楽が聞こえる方向に向かって行くと、大きな扉があった。

 

 しかし、その扉は閉じられていて、自分は鍵穴からそっと中をうかがった。

 

 室内は予想以上に広く、そこには床に届く長さのドレスを着た女性や、燕尾服姿の男性が沢山いて、それぞれをパートナーとしながら、優雅に円舞曲を踊っている。

 

 

 自分は彼らの姿をもっとよく見ようと、さらに顔を鍵穴に近づけた。

 

 だが、それがいけなかった。

 

 自分は大扉ごとのめるように倒れ、彼らの前に放り出されたのである。

 

 一斉ににこちらを振り返った舞踏会の客の顔は、腐乱した人の顔をしていた。

 

 しばしの沈黙が、舞踏会の会場に流れた。

 

 

 自分は咳払いをし、ズボンのホコリを軽く払いながら、バツが悪そうにゆっくり立ち上がった。