最近見た夢の話である。

 

 

 自分はどこかの駅の構内にいる。

 

 そこは壁が赤煉瓦で、古くからあるような建物だ。

 

 人通りが多く、目の前を何十何百という人が通り過ぎてゆく。

 

 すると、体より大きな荷物を背負ったほおかぶりのおばあさんが、こちらに向かって歩いてきた。

 

 自分はぶつからないように体を逸らすが、おばあさんの荷物がこちらに当たってしまう。

 相手は老人だったが意外にも力が強く、自分は跳ね飛ばされた。

 

「ああ、すみませんでした」

 

 思わずそう口にした自分は、ふとそのおばあさんの顔を見ると、おばあさんは映画『メトロポリス』に出てくるロボットのような顔をしており、そんな顔でこちらを見上げた。

 

 その時、自分はこのおばあさんが最近流行りの、荷物運びをするロボばあさんだということに気づく。

 

 呆然とその後ろ姿を見送る自分に、おばあさんはこちらをウィ〜ンとゆっくり振り返ると、ぎこちなくペコリと頭を下げた。