夜の帳が降りる頃になると、坂の上にあるコンビニの植え込みに、60代くらいのホームレスの男性が腰掛けながら、缶チューハイを美味しそうに飲んでいる姿をたまに見かけることがあった。
男性はその場所から遥か向こうを望んでいるようであり、いったい何を見ているのだろうと思っていた。
ある時、同じ時刻、そこから同じ方向を眺めてみた。
すると、その方角には東京タワーがあり、ちょうどライトアップが始まる時刻であった。
彼は、坂の上にある特等席から、東京タワーのイルミネーションを眺めていたわけである。
さて、このGWの東京タワーのライトアップは、令和元年から始まった、17段に渡って取り付けられた268台のLEDライトが無限に光色パターンを変えて輝き続ける、「インフィニティ・ダイヤモンドヴェール」というもの。
海外からの観光客が増えた今、このくらい派手なライトアップがあったほうがいいのだろうか。
なお、10月〜7月のライトアップには、高圧ナトリウムランプという馴染みあるオレンジ色のライトが使われている。
色調に温かみがあって、自分はこちらの方が好きである。