ずっと以前の話になるが、深夜に友人と長電話をした後、外に出てしばらく行ったところで、いきなり激しい音が轟き、目の前を一瞬、緑色の巨大な光体が走った。

 

 それはおそらく、地上に落下した流れ星だったのだろう。

 

 後にも先にも、そんなものを目撃したことはなかった。

 

 それにしても、その流れ星は一体どこに落ちたのだろうか。

 

 激しい地響きもしなければ、星が屋根瓦に当たって弾け散るということもなかった。

 

 地面に落下する前に、消滅したのだろうか。

 

 

 そんなことを思い出しながら、今宵も夜空を見上げながら帰宅する。

 

 夜空は澄み渡り、星がよく見える。

 

 だが、流れ星は一向に姿を現さない。

 

 買い物に立ち寄ったコンビニを出て、足元を見るとそこにキラリと光るものがあった。

 

 身をかがめて、足元の光るものを手にとってみた。

 

 それは小指の先に乗るくらいの、小さなお星様であった。

 

 正確には星型マークをかたどったアルミ製の、玩具の一部か子ども向けファッションの部品だろう。

 

 お星様には「S」というアルファベット文字が刻印されていた。

 

「S」は“STAR”の頭文字だろうか。

 

 それとも、その星を作った会社のマークであろうか。

 

 夜空で流れ星には遭遇出来なかったけれど、地上では小さな小さなお星様の落し物があった。

 

 どこかの子どもが探しているかもしれない。

 目立つところに置いておこう。

 

 今宵も都会の片隅で、こんな小さなお星様が、誰にも見つけられることなく、息を潜めてじっとしているかもしれない。

 

 

 ※過去記事に、加筆修正したものです。