今日は真夏日であった。
近所のノラネコも元気がなく、うなだれたように日陰で寝そべっている。
友人のWがクルマで迎えにきてくれたので、海を見にドライブに出かけた。
無言で運転をするWに向かって、自分はコカコーラを飲みながら、一方的に話しかけた。
「なあ、君なら地球の終末に何をする? 例えば、今日がその日だとして」
「……」
「広大な宇宙では、我々なんてほんのミジンコみたいなものなんだぜ。そう、アリンコより小さいんだ。そんな小さなヤツが真に地球の終末なんて理解できるだろうか? 自分はそこが知りたくて、君に問うているんだ。……ちなみに、アリンコよりかはミジンコの方が好きだな。ピヨピヨとバタフライで泳ぐ、半透明のかわいらしいヤツだ」
「……」
「それで、地球の終末なんだけど」
「週末って、また次の週がくるんだろ? そんなにせっかちにならなくてもいいだろう、翌週回しで」
と、Wは重たい口を開いた。
「いや、週末ではなく終末、つまり終わり、ということだ。地球の終わりということだね」
自分がそう伝えると、Wは憮然としながら、
「終わらんだろうよ、それは。ほら、あれだよ。いつも閉店セールとか貼り紙が出ていて、実際には閉店しない店ってあるだろう、どこかの靴屋とか。そんな感じなんだろ、どうせ」
と言った。
今度は自分が無言になって、クルマの窓から、気持ちよく流れてゆく外の風景を眺めた。