今日は朝から曇り空であった。

 

 外はやや肌寒いようにも思えたが、歩いているうちに体も温まり、それほどでもない。

 

 公園の桜は3分咲きとなり、今週の後半には花見で賑わうことになるだろう。

 

 

 この季節の曇天を「花曇り」ともいうが、ただ灰色の曇り空ではなく、桜の花の淡いピンク色が混じった曇り空のように思えて、誰が名付けたかわからないが、気の利いた呼び方だなと感心する。

 

 他にも「鳥曇り」という言葉があり、これは渡り鳥が帰って行く晩春の曇り空のことをいうようで、こちらも行く春を感じさせる。

 

 ここに「春雨」という名前が加わると、途端に切ない気持ちになってくる。

 

 せっかく咲いた桜の花を散らしてしまう春の雨が、春雨なのである。

 

 そしてさらに、いきなり寒さが戻ることを示した、「春雪」や「春吹雪」という言葉もあるようだ。

 

 

 桜の季節に降る雪のことは、「桜隠し」とも呼ばれているらしい。

 

 春の季語にも使われているが、元々は新潟の方言だったという説もある。

 

 しかし、なんともしみじみとする言葉だ。

 

 そんな淡雪を眺めながら、燗酒でもというのはどうだろうか。