お昼過ぎ頃、近所の公園に行き、持参した手作りのサンドウィッチを食べる。

 

 それにしても、木蔭のベンチでの食事は寒い。

 

 思い返せば、何度も同じような事をしているわけだが、なんだか学んでいないなあ、とつくづく感心する。

 

 しかし、そんなどこか時間軸からずれてしまったかのような、「8分違いの世界」みたいな時間を持つのが好きなのである。

 

  世間から隔絶してしまった、パラレルワールドのような時間。

 

 ただただ、静寂の中で同じ事が繰り返される世界。

 

 ベンチから立ち上がろうとすると、後ろをホームレスらしき男性が、ワンセグテレビを見ながらニヤニヤとして通り過ぎる。

 

 あの人も案外、そういった事を体験しているのかも知れない、と空想する。

 

 そういえば、パラレルワールドに行くための方法が、ネット上でまことしやかに語られている。

 

 まず、六芒星を描いた紙を用意し、その星形マークの真ん中に「飽きた」と書き込み、その紙を手に持ったまま眠るのだそうだ。

 

 目覚めて、その手に紙がなければ、パラレルワールド行きは成功しているという。

 

 手から消えてしまった紙はというと、その人が以前いた世界に身代わりとして残されているのである。

 

 ただし成功するのは、人生に飽きてしまった人だけ、と伝えられている。

 

 不気味だがちょっと切なくて、よく出来た話であると思う。

 

 また、パラレルワールドへは、エレベーターを使っても行けるという。

 

 詳細は書かないが、エレベーターの中である手順を踏むと、現行世界から異世界に行く事が出来るそうである。

 しかし、そこはあなたしかいない世界なのであった!

 

 そんな世界へ行ったところで、どうしようもないはずだと思うのだが‥‥‥。

 

 この都市伝説は、もしかしたら円谷プロダクション制作の日本初の特撮テレビドラマ、『ウルトラQ』の伝説の最終話「あけてくれ!」がヒントになっているのかも知れない。

 物語の中で、怪優・天本英世氏演じるSF作家が、エレベーターで異世界に行くシーンがあった。

 

 大変優れたストーリーで、『ウルトラQ』の中ではダントツに好きなエピソードだ。

 

 初回放映時には、その難解すぎるストーリーから、お蔵入りさせられた回でもある。

 

 脚本は、後に「3年B組金八先生」のシナリオを書く小山内美江子氏。俳優で映画監督である、利重剛氏のお母さんでもある。

 

 監督は特撮の神様と謳われた円谷英二のご子息で、数々の才能を発掘しながらも早世された、円谷一氏。

 

 この話には、空中を飛行する異次元列車が登場するが、そうか、パラレルワールドに行くには、この異次元列車に乗る手もあったか。

 

 

※過去記事に、加筆修正したものです。