午前中、三軒茶屋に行く。

 

 たまに立ち寄っていたパン屋さんが閉店していた。

 

 つい最近、ここで3色パンとコロッケパンを買ったばかりだと思っていたのに。

 

 決してこじゃれたパン屋さんではなかったが、たまに食べるとホッとするような味わいのパンが並んでいた。

 

 庶民的な味わいのパンと言ったらよいのだろうか。

 

 地元の人にも人気であったようだ。

 

 シャッターの下りたパン屋さんの店舗跡を眺めながら、ここしばらくお気に入りのお店が次々と閉店して行くのを、何とも寂しく思う。

 

 このお店の事を教えてくれたのは、近くに住んでいるK君だった。

 

 彼は幼い娘さんと一緒に、よくここで食パンを買っていたという。

 

 聞くところによると、K君のお母さんが昔からこのパン屋さんで食パンを調達していたそうだ。

 親子三代で通っていたパン屋さんであったのだ。

 

 そんなK君は、もう新しいお店を見つけた事だろうか。

 

 午後、やや蒸し暑くなる。

 

 窓を開けてみるが、風は来ない。

 

 そのままベッドに横になりながら、トム・フォードが監督した映画『ノクターナル・アニマルズ』のサウンドトラックを聴く。

 ポーランド出身のアベル・コルゼニオフスキーの書くスコアが美しくもスリリング。

 

 いっそこのまま、梅雨らしい雨でも降ってくれたらと思う。