深夜、赤ちゃんの泣き声で目が覚める。

 

 どこの赤ちゃんなんだろう、と考えるも思い当たらず。

 

 しばらく横になってその声に耳を傾ける。

 

 いや、これはネコの鳴き声なのではないだろうか。

 

 どこか遠くから聞こえて来る弱々しいネコの鳴き声だ。

 

 もしかしたら、まだ子ネコなのかも知れない。

 

 窓を開けて戸外を見渡すが、方角が掴めない。

 

 近くから聞こえて来るような気もするし、遠くから響いて来るような感じも受ける。

 

 やはり何となく気になったため、外に出て声のする方向を探る事にする。

 

 しかし、こちらが外に出ると、鳴き声はぴたっとやむのである。

 

 なんだ、いったい。

 

 そう思いながら、辺りを探索するが結局、声の主は見当たらなかった。

 

 家に戻って、電気を消すと再びいずこからか鳴き声が響く。

 

 今夜は寒いだろうし、子ネコだったら可哀想だと思い、もう一度植え込みなどを探してみる。

 

 だが、やはりその姿はなかった。

 

 本当にもうこれじゃ不審者だよ、と思いながら部屋に戻る。

 

 その後、寝付かれなくなったため、アロマキャンドルを灯して、缶ビールを開ける。

 

 結局、その声の主は本当にネコだったのか、それともどこかのお宅の赤子が夜泣きしていたのかは判明せず。

 

 こんな事もあるものなのだ。

 

 朝方から雨が降り出し始め、遠くで雷が轟く。

 

 屋根の上を小人が総出でダンスしているような雨音が眠りを誘う。

 

 この季節のお天気はよくわからないものだ。

 

 そう考えながら、そのまま眠りに就いた。