[原著論文]belinostatはFOXOの核移行を増やしtrametinib感受性を上げる。 | 30台からの基礎研究

30台からの基礎研究

30代から基礎研究を始めた研究者ブログです。研究に関わる様々なことを発信しようと思っています。

Yamada, T., Amann, J. M., Tanimoto, A., Taniguchi, H., Shukuya, T., Timmers, C., et al. (2018). Histone Deacetylase Inhibition Enhances the Antitumor Activity of a MEK Inhibitor in Lung Cancer Cells Harboring RAS Mutations. Molecular Cancer Therapeutics, 17(1), 17–25.

 

[目的]

krasについて知識を得る、治療法が決まっている場合のメカニズムの厚みの漬け方をまなぶ。

[効果・メリット]

自分の論文のメカニズムの与え方を知る。

[要旨]

Result

Fig1.panHDACiとMEKiの併用はKRASmutatntの細胞を増殖抑制する。

 belinostatがどこから出てきたのか記載が明確にないが、併用効果が有るというphenotypeのfig.これでいいのであれば、やはり標的のシグナルがわかっているinhibitorで併用効果が有るものを探すこと自体には意味がある。

 

Supple Fig1 .KRAS wtのfibroblastはMEKi&HDACiでFOXOは上がるがapoptosis&slow cell cycleは誘導されない。

Supple Fig2 .KRAS wtのfibroblastはMEKi&HDACiで生存は低下する。

 

Fig2.MEKi&HDACiはFOXO1&3aを増やし、apoptosisの誘導およびcell cycleを遅くする。

FIgの順番が微妙だがFOXOをupregulateする薬剤としてHDACi探し、belinostatを見つけたというのが流れか。HDACiによりH3がアセチル化するようになり、FOXOの下流が活性化され、BIMを上げることでMEKiの効果を後押しする。

 

Fig3.2剤併用はFOXO1&FOXO3aの量の増加だけでなく核へ集積を上げ(BIMを介して)apoptosisを誘導する。

FOXOという転写因子を扱っているので核への以降性およびreporter assayを行う。またsiでの確認も。

 

Supple Fig3 .HDACiでFOXOの転写は活性化する。

Supple Fig4 .FOXO1,FOXO3aのsiに関する発現確認

Supple Fig5 .FOXO1,FOXO3aのsiすると下流のBIMの低下及び、cPARPも低下する。

 

Fig4,vivoでもMEKi&HDACiは治療効果あり。

わかりやすい流れで、

 

Supple Fig6 .明らかな体重減少はない。

 

[コメント]

HDACiをどこから持ってきたか以外は分かりやすい流れ。HDACiの併用効果を確認し、FOXOという転写因子への制御機構を示す。FOXOを上げる薬剤で、下げるのはsiとしてデータを示して、転写因子なので核への移行とreporter assayを行ったのちにvivoでの再現性を確認する。cell lineでもここまで綺麗にできるいい見本かと感じた。体重現象をsuppleで言っていて、新し治療法に際しては体重を測っておくことが必要そうだ。