🔵 熟練者は出力する直前に、瞬間的に脱力する。
この脱力を、動作前休止期(PMSP)という。
脱力することにより、筋腱複合体の弾性力、機械的な力を用いて出力します。
この弾けるパワーは力強く俊敏、エネルギー消費量は低く、血流を促し可動域を維持でき、パフォーマンスの低下を最小限に抑えることも出来ます。
この筋電計が反応しない脱力、抑制から始まる弾性力という伸長性収縮は、力みが伴う筋収縮するトレーニングではPMSPは起こらず、弾性力ではない短縮性収縮、ATPの加水分解により出力することとなります。
短縮性収縮は、血流低下により鬱血し筋肥大してくれ、スローな筋力はアップしますが、可動域低下が起こり、パフォーマンスに影響を及ぼします。
そして理論上、伸長性収縮>短縮性収縮 です。
仮に弾性力という伸長性収縮で出力した直後に、力みという短縮性収縮が起きれば、強烈なブレーキが起ります!
なのでピリオダイゼーション理論では、オフシーズンのスローリフト、シーズンはクイックリフトと述べられています。
仮にシーズンにスローリフトのトレーニングを実施したら、どうなってしまうのでしょうか?
PMSPの起こらないので弾性力は使えず、伸長性収縮に劣る短縮性収縮を、血流そして可動域低下をまねき、疲労する酸素効率の悪い、パフォーマンスに影響するトレーニングを反復することになる。
また短期間に筋肥大したということは、血流低下して鬱血させて身に付けた結果でもあり、筋出力はスローな動きとなります。
それと、意識と骨格筋の協調性が無くなっている状態とでも言いましょうか…。
パフォーマンス中に、強烈なブレーキが起こらないことを、ただ願うばかりです。
ゴルフでのスライス、野球でいう空振り、サッカーでの腰の切れなど、考え出したら切りがありません。
コンディションを低下してまで疲労困憊したから強くなるのではなく(=潰れるトレーニング?)、理想的な動きコンディションを維持できたトレーニングを反復し、脳に動作記憶としてインプットできて、初めて高いパフォーマンスを獲得できる。
人間の身体は正直で、トレーニングした通りの動きをしてくれます。