🟢 強烈な瘢痕…。
🔵 リハビリテーションを進める上でのポイント
1)損傷部位の修復・治癒
2)肘の正常な屈曲-伸展可動域・アライメント修正により、肘外反ストレスの軽減
3)肘の筋力強化
4)全身のコンディショニング
5)投球フォームの修正
> 松田整形外科記念病院 より
🔵 ACL再建術後再受傷例の特徴
【目的】膝前十字靭帯損傷は再建術の手技・リハビリテーション技術の向上によりスポーツ復帰率が向上しているが、一方で再受傷に至る症例もみられる。
今回、再受傷例の特徴の把握を目的に調査を行った。
【方法】対象は2003年4月から2007年3月までに当院にて膝屈筋腱を用いた初回膝前十字靭帯再建術を施行した595例(男性263例・女性332例、平均26.0歳)とした。
そのうち両側再建例を除いた536例を、再受傷後再再建術を行った再受傷群と現時点で再受傷のない非受傷群に分類し、再受傷機転、再受傷時期、初回手術時年齢をカルテより収集した。
さらに等速性筋力(OKC膝伸展・屈曲、CKC脚伸展)、膝伸展可動域、KT1000による前方移動量、Tegner Activity Score(以下TAS)を再建術前、術後3ヶ月、5ヶ月、7ヶ月、9ヶ月にて両群の平均値を比較した。
筋力測定にはArielCES5000を用い、OKCは健側比・H/Q比を算出し、CKCは片脚スクワット動作にて健側比を算出した.統計処理は5%を有意水準とした。
なお本研究は当院倫理委員会の承諾を得て行った。
【結果】再受傷例は20例(3.4%)であった.再受傷機転は交通事故2例、不明1例、スポーツでの受傷17例であり、非接触型損傷が14例であった。
再受傷時期は術後平均335.2±148.1日で、当院は術後9ヶ月にてスポーツ復帰としているが、スポーツで受傷した17例のうち6例はプロトコール前の復帰であった。
初回手術時年齢は平均16.4±2.3歳であり、非受傷群の26.5±10.8歳に比べ有意に低かった。
健側比はOKC膝伸展筋力で再受傷群が術後3ヶ月82.3±11.9%、5ヶ月85.9±14.0%、非受傷群が術後3ヶ月71.4±16.5%、5ヶ月75.5±16.5%、OKC膝屈曲筋力で再受傷群が術後7ヶ月93.8±16.0%、非受傷群が86.2±11.6%でそれぞれ有意に再受傷群が高値を示し、その他の時期に有意差はなかった。
H/Q比、CKC脚伸展筋力、膝伸展可動域、KT1000、TASでは両群に有意差はなかった。
【考察】早期に復帰し、再受傷した症例がみられた。
これは筋力の回復、特に運動パフォーマンスと相関する膝伸展筋の回復が良かったことが早期にスポーツ動作を開始してしまう誘因になったと考える。
また再受傷群は平均16.4歳であり、高校3年間・大学4年間という時間的制約のある環境も早期復帰を助長したことが予測され、年齢が若く、筋力の回復が良好な症例ほど十分な管理が必要と考える。
一方で術後9ヶ月以降に受傷する症例も認めた。
スポーツ復帰に関して筋力を指標とした報告が多いが、本研究では術後9ヶ月で両群の筋力に差がないこと・非接触型損傷が多いことから、筋力だけでなくアライメントなどの評価もふまえて復帰を考える必要があることを再認識した。
> 骨・関節系理学療法
―術後筋力の経時的推移について―
川島 達宏, 大見 頼一, 川島 敏生, 栗山 節郎, 星田 隆彦 より
🌟 ACLリハビリテーションにおける、筋力だけでなくアライメントの評価、非常に大事です。
それでは、リハビリテーションのポイントを考えてみましょう。
1) 硬い瘢痕のない、柔らかい皮膚。
2) 肘関節、伸展屈曲と回内回外そして押し付け引っ張る6方向が柔らかく動き、動きが伴った柔軟な関節可動域を評価する。
3) 競技特性を考えての、動きが伴った、全身が強調しての筋力強化。
4) 全身の関節が可動域をクリアーして、全身の筋肉が柔らかく弾性を取り戻し機能する。
5) リラックスした可動域を維持できる動作からスタートし、100%でも可動域を維持できるフォームを模索、ビルドアップして行く。
以上5項目を徹底することが出来ると、100%再受傷はなくなり、完全復帰後は受傷前より高いパフォーマンスを実現できます。
選手と一緒に笑っちゃうほど、何度と無く経験させてもらいました!
※ 元陸上短距離100m日本記録保持者は、高校時代のサイベックスでの測定値は、女子選手にも劣っていたが、故障知らずで誰よりも早く走れていた。
大学に進学すると、ウェイトトレーニングを取り入れるが、記録は伸び悩み故障を抱えるようになり、オリンピックでは走ること無く補欠選手、悔しかったと言っていました。
今もデータ取りされているだろう筋力測定から評価方法、競技特性と何が関係しているのか?
全力で走る動きとは全く違うスローな動きの筋力評価…。
故障を抱えた選手本人は、疑問を抱いていました。
幸いなことに、その後フィジカル・トレーニングを見直し、競技特性を考えた動きのトレーニングを取り入れ、柔軟性を取り戻し故障も無くなり、日本記録保持者となりました。
🔴 まだ瘢痕が残っている状態で運動を再開すると、痛み炎症が無くとも、動きによる刺激が繰り返され、皮膚の瘢痕だけに留まらず、体中の瘢痕も大きく硬くしてしまう事にもなり、突っ張り動きに支障をきたしたら、再手術で除去することになってしまいます。
元々スペースの無い身体の中に瘢痕を作ってしまえば、異物となった瘢痕は手術で取ることになると、JOCドクターも仰っていました。
だから早い段階で処置を施し、それから動き出すことが重要です。
ファースト・エイド、徹底して下さい!