被験者に与えた指示は、a. できるだけ早く反応するようにという指示 (time trail), b. 早く強くする (time+force trail), c. できるだけ強くする (force trail) である。

その結果、指示の与え方によってPMSPの出現様相は明らかに異なってくる。早さを求めるとPMSPの出現率は低下し、力を求めるとPMSPの出現は増加するが遅くなる。force trail の相動性筋放電の同期化が遅れた場合では、力の立ち上がりが鋭く、力が増強されるので、最も短い time trail の反応時間程度に過ぎない。

筋力発揮の脳・神経科学 6章 88〜89
 矢部京之助