撮影日 2026.1.25
撮影場所 広島電鉄横川線 横川駅
気が付けば残り1両となってしまった、広電オリジナルの
旧型ボギー車350形352号です。
ピカピカで状態は良さそうです。
(一枚目)
・7号線 広電本社前行きの352号です。
前面中央窓がHゴム支持で両脇窓上部には庇が付き前面行先
表示器が大型化された広電スタイルです。
ワンマン表示灯も付いています。
350形は1958年に3両がナニワ工機で製造された全金属製2軸
ボギー車です。広電では戦後、市内線用鋼製ボギー車として
京都市電800形ベースの800形(初代・1951年)、前中引戸・
バス窓・コイルバネ台車に変更した500形(2代目・1953年)、
全金属車体に変更し一部は間接自動制御で高性能試作車だった
550形(1955年)が登場しており、本系列はそれに次いだもので
当初は850形として登場しました。
本系列の特徴として、宮島線直通を主眼として設計された事が
挙げられます(直通許可は高性能試作車551号が最初)。
550形と違ってモーター出力が50kw×2基に向上、間接非自動
進段制御化が行われ最高速度が向上しました。
吊り掛け駆動で直通空気ブレーキです。
この後は更にモーター数を増強、間接自動進段制御で発電制動を
備えた2000形、及びその2車体連接車版2500形(現在は3100形に
改造)に進化していきます。
もっともこれら2形式と比べブレーキ性能の不足などから市内線
へ転用され、1971年に350形へ改番されました。現在も直通可能
な様ですがATS非対応の為入線は出来ません。
その後は1975年にワンマン化されました。現在の「ワンマン」
表示の小窓は元々の行先表示器で、中央の物は後年の新設で大型
化・電動化されています。1984年には冷房化されました。
(二枚目)
・352号の反対側前面です。
運行系統板は現在不使用です。
バス窓だった550形までと違って側窓は通常の2段窓に戻りました。
側扉は鋼製で、側面にはHゴムが全く使用されていません。
張り上げ屋根ですが雨樋は下側に設置されています。
尚この車両は菱形パンタでしたが、Zパンタ装備車の旧型車と
同様2022年になってシングルアームパンタに交換されました。
その為昭和30年代の車両にシングルアームパンタというミスマッチ
なスタイルです。
広電の戦後型オリジナル旧型車の内、800形(初代)は早く引退し、
冷房化された500・550形も廃車され2車体連結に改造された
2000形も現役を退いています。
350形は650形と共に市内線用生え抜き旧型ボギー車として長く
活躍していましたが、遂に2023年になって廃車が始まりこの352号
以外は菱形パンタのままで廃車されてしまいました。
(三枚目)
・352号の台車です。コイルバネ台車のNS-11を履いています。
次の2000形からは希少なトーションバー台車となりましたが
本形式はオーソドックスなものです。
モーター出力は50kwと他形式に比べて出力が大きく、宮島線
直通を考慮していますがブレーキは直通空気ブレーキです。
吊り掛け駆動となっており、間接非自動進段制御を採用して
います。
広電では2000形以後間接自動進段制御を採用しており、他社
移籍車も直接制御か間接自動進段制御(3000形)だけだった為、
他社局でポピュラーな間接非自動進段制御は本形式だけです。
塗色はクリームと濃い緑の市内線標準色ですが、現在は他に
650形しか残っていません。
車体裾にはナニワ工機の製造銘板が有ります。
戦後の復興期、広電では800・500・550・850・2000・2500形
(いずれも登場時の形式)を導入し市内線及び宮島線直通輸送に
充当しました。
これらの内800形以外は近年まで活躍しましたが、気が付けば
350形と3100形(2500形を3車体連接改造)だけとなりました。
制御装置が他形式とは違う点が不安ですが、今後も長く
頑張って欲しいです。
以上です。
参考文献 鉄道ピクトリアル NO.688 2000.7 臨時増刊号
【特集】路面電車~LRT
参考HP 第六工場
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