撮影日   2024.5.14

撮影場所  JR西日本山陽本線 岡山駅

 

少し前に訪問した岡山で撮影した、JR西日本の地方線区向け

新型近郊形電車227系500番台です。

 

(一枚目)

・普通 瀬戸行きの227系R6編成クモハ226-531です。

フルカラーLEDはラインカラーと、路線記号のSを表示して

います。

こちらは三原方面の先頭車で、2段の電気連結器を備えます。

 

227系は2015年から製造されている直流近郊形電車です。

アーバンネットワーク向けの225系をベースに短編成且つ線区に

合わせた設計で製造されており、最高速度は110km/hとなって

います。E235系に対するE131系と言えるでしょう。

軽量ステンレス車体でVVVF制御を採用し、行先表示器はフルカラー

LEDで車内案内装置を備え、バリアフリーに対応しています。

導入線区は113・115・103・105系と言った経年の国鉄型電車が

活躍していた線区で、大幅に近代化が図られました。

又ワンマン運転対応設計となっています。

 

足回りはWN継手の中実軸平行カルダン駆動で、モーター出力は

270kwで各車2基搭載し1C2M方式です。

ブレーキは電気指令式空気ブレーキで純電気式の回生ブレーキ・

抑速・耐雪・駐車ブレーキ付きです。

台車はボルスタレス式で軸梁式の空気バネ台車で、動台車は0番台と

同じくWDT63B、付随台車はWTR246Gで付随台車は駐車ブレーキ

付です。

制御装置は0番台と同じくIGBT-VVVF制御ですが、メーカーが異なって

います。補助電源と一体型です。

1000番台ではフルSiC仕様のものとなり、モーターも220kwとなって

いましたが、何故か500番台は0番台に近いものに戻りました。

 

2015年に広島地区に導入された0番台を皮切りに、和歌山地区向け

1000番台、そして岡山地区向け500番台が導入されています。

500番台は「Urara」の愛称を持ち、岡山地区の113・115・117系

等の置換の為2両及び3両編成が101両導入予定です。

(二枚目)

運転台の仕切りは大窓になっています。

駅収受式ワンマン運転に対応しており、将来的な車内収受ワン

マン運転にも対応しています。現状ワンマン運転は行って

いませんが、いずれ山陽本線あたりでもワンマン運転を実施

するかも知れません。かつて「サンライナー」の117系で

実施していたので。

運転台はグラスコクピット構造です。

ドアは押しボタン式半自動ドアとなっています。

(三枚目)

姫路方先頭車クモハ227-531です。

車端部上部にはカメラの準備工事が行われています。

JR九州や東日本の様に車外カメラ使用のワンマン運転を想定

している様です。

JR西日本の標準で前面にも転落防止幌を設置し、ピンク色で

「Urara」の文字が入っています。

(ピンク色の「ウララ」と言えば「ウマ娘」の「ハルウララ」…)

 

500番台は3両はL編成、2両はR編成でそれぞれ併結可能です。

0番台と同じくそれぞれ通し番号で、L編成は501~、R編成は

526から附番されています。もっともメーカー別に附番したのか、

L編成で最初に登場したのは近車製のL3編成以降で、L1編成(川崎

製)は遅れて落成しています。

車番から考えると3両×25本、2両×13本の計101両と推測されます。

既に2両編成は13本導入済みの為、今後は3両の導入が進むと考え

られますが、岡山地区の国鉄型車両の一掃は出来ず213系や115系・

105系の一部は残存すると予想しています。117系は最初に置換え

られてしまいました。

(四枚目)

後方はR7編成クモハ226-532でした。R6編成と同じく2023年

近畿車輛製です。

227系は321系や225系と同様の0.5M方式の為、全電動車方式に

なっており制御装置も各車に搭載しています。

 

塗色は各番台で異なっており、500番台は縦のピンクのラインと、

窓下にイエローからピンクのグラデーションの帯が入っています。

又運転台後部には「JR CITY NETWORK OKAYAMA」のロゴが

入っています。

従来岡山地区では主役の115系は「湘南色」又は「カフェオレ色」、

105系は「福塩線色」、117系は「サンライナー色」等形式によって

色が違っていました。

後に中国地方の鋼製車体電車標準の「末期色」に統一されましたが、

227系では再び地区別カラーが導入されました。

但し213・223系はそれぞれ独自の色を纏っており、統一されません。

(五枚目)

同車の連結面寄り側です。

車体は225系と同様の軽量ステンレス車体で、ドア間の窓は

4枚に分割され中央の窓は広幅です。クロスシートに合わせて

いますが、オールロングシートの1000番台も同じ窓割です…。

妻面には昇降用のステップが見え、窓は有りません。

(六枚目)

クモハ226形には車椅子対応の大型洋式トイレが設置されて

います。対面は車椅子スペースとなっています。

吊手は丸型で、近年の西日本標準で全て黄色になっています。

化粧板は仕切り部や車端部はライトグレーです。

ドア上のランプが点灯しています。

(七枚目)

相方クモハ227-532の連結面寄りです。

227系では各車両に車椅子・ベビーカースペースが設置されて

おり、クモハ227形では反対側はロングシートです。

貫通扉は最近の西日本標準のステンレス無塗装に角型の長大

ガラスの仕様です。以前の化粧板張りの方が好きだったのですが。

(八枚目)

クモハ227-532の前面です。

225系から始まった、西日本の最近の標準スタイルです。

前照灯の形状は227系から変更され、225系にもフィードバック

されました。パノラマミックウインドウは一貫しており、

「東海形」スタイルを今に残しています。

 

クモハ227形はシングルアームパンタとCPを備えます。

0・500番台は現状パンタグラフは1基搭載ですが、1000番台では

霜取り用パンタ搭載編成やセラミック噴射装置付きが存在します。

いずれ115系G番台の置換で伯備線の山岳区間等に入線する様に

なれば、搭載編成が登場するかもしれません。

(九枚目)

500番台の最大の特徴、ドア脇のフリースペースです。

0番台ではドア間は5列の転換クロスシートでしたが、ラッシュ

対策で500番台では4列になりました。窓割は変えなかったので

写真の様に座席とドア柱は一致していません。

岡山は結構混む上に4両編成は製造せず2両単位になる為の対策

かと思いますが、セミクロスシートや阪和線の様な1-2列クロス

シートでは駄目なのでしょうか?

1000番台の様なオールロングよりましですが。あちらは昼間は

そんなに混むのかという気もしますが。

それにしても、813系の様に座席撤去したけど結局オールロング

シート化、という事態にならない事を祈ります。

 

ドアは西日本標準の化粧板貼り仕様で、車内案内装置は一部

ドア上のみの設置です。LED式で液晶式でないのが残念です。

床はライトグレーでドア付近は黄色く塗られています。

(十枚目)

黄色い吊手が賑やか過ぎる車内です。

近年の西日本標準の白系の化粧板にカバー付きのブラウンの

座席と、よく見かける車内です。ドア脇の空間を除けば。

0番台は赤、1000番台は緑のモケットなので500番台が一番

西日本らしさを感じます。

天井は平天井でラインフロー式、横流ファン付きです。

照明はLEDです。

 

岡山地区では民営化直前の213系、後に223系5000番台が「マリン

ライナー」用に導入されましたが、普通列車用は国鉄時代の電車で

統一されていました。

広島に続き遂に岡山にもその状態にメスが入りましたが、待望の

新車であり長く活躍して欲しいです。

国鉄型車両も少し残ると思いますが、国鉄型の聖地の光景も間もなく

見納めでしょう。

 

以上です。

 

参考HP   KureKou Portal

 

      ウイキペディア JR西日本227系電車