撮影日   2024.5.14

撮影場所  JR西日本山陽本線 岡山駅

 

227系導入により大きな変化が予想される、岡山所属の115系

1000番台です。

 

(一枚目)

・回送表示で停車中のA-02編成です。

この車両は東京方先頭車クハ115-1111で、1978年日本車輛製です。

 

115系1000番台は1977年から1982年まで651両が製造された

グループです。300番台を基に積雪地向けに耐寒耐雪装備を

強化し、又シートピッチ拡大を行ってサービス向上を図った

グループです。よって電動車に雪切室を設置し、シートピッチ

拡大も有って電動車の車端部はロングシートとなりました。

又、一部地域に導入された車両は冷房準備車となっています。

このグループからトイレは偶数向きのみに設置され(後の増備車

では奇数向きにも追加)、偶数向きクハは1000~1099と1200~、

奇数向きクハは1101~となりました。

 

民営化後は東日本・東海・西日本に引き継がれ、東日本では末期は

長野・新潟に配属されリニューアル工事を受けた車両いましたが、

昨年新潟を最後に引退してしまいました。しなの鉄道譲渡車は

まだ現役ですが置換が進んでいます。

西日本エリアでは伯備線向けに大量導入された為、特に岡山に大量に

在籍し、現在も多くが現役です。

現役の車両は体質改善30N・40N工事を施工されており、転換クロス

シートに改良されています。又2両ワンマン運転用に運転台設置改造を

受けたグループも存在し、そちらはBOXシートのままです。

(二枚目)

同車の車番です。1が並んだゾロ目ナンバーです。

岡山地区の115系は3連のD編成は一番多く、次いで4連のA編成そして

2連のG編成という構成となっています。

よって4連のA編成に組み込まれている奇数向きクハ115形1100番台や

次に紹介するモハ115形は比較的少数派です。

 

かつては117系改造の3500番台電動車を組み込んだK編成も存在し、

先頭車3ドア・中間車2ドアという整列乗車が出来ない恐ろしい編成も

存在しましたが(下関には逆に先頭車3000番台2ドア・中間車3ドアも

存在した)、既に全滅しています。

(三枚目)

中間車モハ115-1105です。1978年日本車輛製です。

115系の特徴として雪切室が設置されており、寒冷地に強い車両と

なっています。隣の広島地区は暖地向けとして雪切室が省略された

2000番台が導入されましたが、全廃されてしまいました。

体質改善工事の際、115系1000番台の電動車では車端部の戸袋窓は

撤去されています。

現在は転落防止幌が設置されています。

この編成はクハ115形1200番台以外は岡山生え抜きの様です。

(四枚目)

相方モハ114-1177です。弱冷房車となっています。

この編成は体質改善40N工事を受け、腐食部外板の貼り替えや一部

ステンレス化、塗装屋根化及び通風器撤去、前面窓及び行先表示器の

支持方式変更、押しボタン式半自動ドア化、車内アコモ改造といった

工事が行われています。

 

30N工事車と違い屋根は張上げ屋根形状となり、側窓も隅がR付きの

形状に変更され車端部は固定窓になりました。

側扉の窓枠支持方式は金属押さえとなり、側扉の引き残しは無くなり

ました。室内天井周りは平天井に改造されておりいます。

よって外観は大変すっきりとした形状になり、車内も新車並みに

リフレッシュされました。

塗装も体質改善工事車向けの塗色に変更されましたが、後に「末期色」

に変更されてしまいました。

岡山の115系は30N車が主力で、4連のA編成で全車40N車はこの編成

だけです。他にA-10編成がクハ115-1206(30N車)を除き40N工事

施工車となっています。

(五枚目)

下関向き先頭車クハ115-1217です。こちらだけ1980年東急車輛

製で、新前橋新製配置なので国鉄末期の短編成化推進による大規模な

転配で岡山にやって来た様です。

この車はトイレ付きとなっています。体質改善工事後も和式のままです。

向かいには車椅子スペースが体質改善工事の際に設置されており、後に

ベビーカーマークも貼られています。

クハの車端部戸袋窓は縮小されただけで撤去されていません。

車端部には電動行先表示器準備工事の跡が有りましたが、綺麗に撤去

され、屋根も通風器が撤去されてスッキリしています。

トイレの横にこの編成では数少ないロングシートが残っており、袖仕切りが

体質改善の際に設置されています。

(六枚目)

同車の車内です。転換クロスシートとなっていますが、補助席は

設置されていません。モケットは茶色系でカバー付きです。

天井は平天井となりカバーが設置されています。荷棚も更新されて

います。

壁や床も更新され、原型の暗めな車内とは大きく変わりました。

ドア付近の床は黄色く塗られています。

(七枚目)

同車の前面です。

体質改善工事で前面窓は1枚窓になりました。タイフォンはシャッター

付きのタイプです。

岡山の115系は現在全てLED改造されており、前面行先表示器と、A編成

では奇数向きクハとモハ114形のみ側面行先表示器を使用しています。

 

227系が進んでいますが、導入両数からすると115系1000番台の一部は

暫く残るのでは無いかと考えています。

しかしいずれは置き換えられるのは確実なので、長く元気に頑張って

欲しいです。

 

以上です。

 

参考文献   鉄道ピクトリアル No.820  2009.7

 

参考HP   新三田電留線