撮影日   2024.4.30

撮影場所  快速「ゆふいん」号 久留米行き車内及び久留米駅

 

前回に続き、今年のGWに運行された臨時客車列車「ゆふいん」

号の車窓の紹介です。

今回は久留米近辺の車窓と、久留米駅での撮影分です。

 

(一・二枚目)

この辺りだと久留米市内に近くなったと感じる、南久留米駅です。

西鉄久留米駅から比較的近い場所に有り、周囲は住宅地です。

ここは現在無人駅ですが、築堤下に1928年開業時からの木造駅舎が

残っています。

(三枚目)

ここは島式1面2線で交換可能で、久大本線の久留米方では

最初の交換可能駅です。キハ200-3+1003と交換しました。

ホーム上には植栽?が伸びに伸びていました。

無人駅とは言え剪定した方が…。

(四枚目)

そして遂に終点、久留米駅に到着しました。

これで約2時間の客車普通列車の旅は終わりました。

久留米駅では鹿児島本線門司港方面の4番線に停車しました。

(五枚目)

中間のオハ50形売店部分の固定窓です。

売店の向かいはカウンターになっていますが、車端部の1枚だけ

固定窓です。オリジナルの2段窓より横長になっています。

元は客扉と戸袋窓が有りました。

ところでこの固定窓、寸法的に485系電車や24系客車辺りの

固定窓を流用している様な気がします。

(六枚目)

オハフ50 702の車掌室部分です。

50系客車は自動ドアを採用しましたが、中間の車掌室で開閉を

扱う場合も多かったので緩急車が多く製造されました。

妻面の両側に窓が付いたオリジナルの形態を残しています。

(七枚目)

「SL人吉」のロゴです。

「STEAM LOCOMOTIVE HITOYOSHI」と書かれていますが、

今後運用する際もこのまま使われるのでしょうか。

(八枚目)

オハフ50 701の展望室部には唐草模様のイラストが描かれて

います。和風のデザインで、「あそBOY」時代のレトロ調

デザインとは大きく異なっています。

(九枚目)

日頃通勤電車が行き交う久留米駅のホームに現れた珍客です。

「SL人吉」引退前の運行で走っていたとはいえ、やはり珍しそうに

ホームの人々が見ていました。

それにしても、25年前まで久留米駅には久大本線の12系や50系

客車が出入りしていたというのが信じられない気がします。

(十枚目)

次いで、反対側ホームから「ゆふいん」号の全景を撮影しました。

3両という短編成ですが国鉄末期の非電化路線で多く見られたDE10+

50系客車という今ではほぼ見られない組合せの再現です。

全車両黒一色なので統一感が有りますが、オリジナル色のDE10+

50系の組合せも見てみたいものです。

(十一枚目)

DE10 1207の3軸側台車で、1000番台途中から採用された

DT141です。

DE10形特有の各軸が独立した構造で、1軸台車を連結した

様式なのでUIC式軸配置はAAAとなります。

制限がある路線での運用の為軸重分散と入換時の粘着力向上の為

5軸構造とし、一方曲線通過時の横圧低減の為各軸を独立させた

という大変独特な設計です。

世界的にも珍しい設計思想だと思いますが、結局国鉄DE10・11・

15の各形式及び一部私鉄の同型車だけの採用に終わり、同時期の

民鉄機の多くは前時代のDD13ベースの導入が続きました。

(十二枚目)

こちらは2軸側の台車で、DT131です。

エンジンはこのグループは1350PSに強化されています。

DE10形は5軸とした事によりDD13よりも軸重が低減され、各地の

ローカル線で活躍しました。

もっとも簡易線規格の路線ではそれでも入線できない場合が有り、

軽量の小型機DD16が導入されました。

(十三枚目)

オハフ50 702です。展望室が無い側だと側面は比較的

原型を留めていますが、戸袋窓や行先表示器の準備工事跡は

撤去されています。

尚二重屋根部分には「あそBOY」改造時には通風器が設置

されていましたが、JR九州の他の車両と同様に撤去されました。

(十四枚目)

オハ50 701の側面です。

やはり折戸に改造されているのが目を惹きます。寸法も原形の

引戸より狭くなったのが、ドアの位置は引戸時代に比べ車端部

側は少し内側にずれている様です。

ドア脇の2段窓だけ寸法が小さいですが、元々戸袋窓だった

部分です。

この折戸は12系辺りから流用したのでしょうか。

反対側車端部は売店部分で、片デッキとなり窓が埋められました。

(十五枚目)

台車はTR230です。国鉄の一般形車両らしく枕バネがコイル

バネですが、同時期の電車や気動車と違い軸箱支持方式が

ペデスタル式でやや簡素に見えます。

元は10系軽量客車で採用されたTR50系がベースですが、

今では大変希少な存在です。

(十六枚目)

最後にオハフ50 701です。

密閉式の展望室付きですが「テ」の記号は付いていません。

「ゆふいん」号はこの後鹿児島本線を回送された様です。

運行期間中は竹下駅構内に停まっていました。

 

 

これで今年GWの快速「ゆふいん」号の記事は終わりです。

個人的には今では大変珍しくなった客車列車に乗車出来たのが

大変嬉しく、今まで何度も通った久大本線を客車で走る事も

大変新鮮に感じました。

一方で車内で観光案内や車内販売が無かったのは物足りなく

感じました。

そもそもこの列車の設定自体が趣味者向けなのか、観光客

向けなのかイマイチ分からないとも感じました。

観光客への救済臨として余剰車両を活用するついでに珍しい

車両を急遽使った、というのが正解でしょうか。

 

58654号機が引退した今、この50系客車もいつまで走る事が

出来るか分からず、検査期限が来たら引退する可能性も高く

感じます。

出来るだけ長く残って臨時列車に登板して欲しいですが。

DD200に牽引されたり、あるいは元の色に復元された姿も

見たいと思っています。

 

以上です。

 

参考文献  JR全車両ハンドブック2004

 

参考HP   ウイキペディア 関連ページ