撮影日   2024.4.30

撮影場所  快速「ゆふいん」号 久留米行き車内

 

前回に続き、今年のGWに運行された臨時客車列車「ゆふいん」

号の記事です。

今回は1号車の車内を紹介します。

 

(一枚目)

由布院方の先頭車、オハフ50 701の車内です。

由布院方に展望室を持っており、今回の列車ではこちらが後部と

なっていました。

他の車両と変わらず車両の半分が区切られている構造で、こちらは

2号車寄りの車室で座席はモケット貼りで茶系です。

車内は明るめの内装です。

(二枚目)

こちらは同車の展望室寄りの車室です。仕切り部分は

ケースが置かれています。

こちらの区画は黒の革張りで、885系を思い起こします。

上写真でも写っていますが、この車両も各室の中央部分が片面

座席になっています。

定員は40名です。

(三枚目)

屋根部分です。

元々50系客車は通常の丸天井で、且つ「旧型客車」と違って

浅い屋根構造でしたが、見事に二重屋根に改造されました。

新製車では昭和初期の32系客車の途中で終了したスタイルです。

二重屋根は段差部分の側面に通風孔を設けていますが、こちら

では代わりにクーラーの吹き出し口にしている様です。

屋根に十字に入った部材は鉄垂木のイメージでしょうか。

照明は白熱灯風に仕上げられ(多分蛍光灯)、レトロ調に

仕立てられています。

また屋根の段差部分には所々写真に見える様に飾りが付いて

います。

(四枚目)

座席は木製のフレームになっており、重厚な感じがする座席

となっています。肘置きも含め木製です。

座った座席はモケット貼りでしたが、フカフカでした。

(五枚目)

これは片面座席のテーブルです。

前の座席背面はシンプルに木製で、折り畳みテーブルが付いて

いました。こうして見ると鉄道車両よりログハウス的です。

尚片面座席は場所によってテーブルの設置方法が違っており、

上2枚の写真に見える座席の様に背面設置の折り畳み式では

無く、壁側から伸びた固定式のテーブルの席も有りました。

シートピッチに違いが有るのではないかと思います。

(六枚目)

これは連結面寄りに設置されたケースです。

中には模型が展示されていました。下はごみ箱です。

対面はトイレで、3号車のオハフ50 702と違いこの車両は

車椅子対応の大型に拡大されています。

1988年の「あそBOY」改造時はまだこういった設備は一般

的では無かったので、恐らく2009年の「SL人吉」転用時に

改造されたのでは無いでしょうか。

(七枚目)

ケースの下には「SL人吉」の沿線案内図が書かれていました。

八代から人吉まで球磨川に沿ったイラストで、「鳥観図」

様式でしょうか?綺麗なイラストです。

肥薩線のこの区間はやっと復旧の話が出てきましたが、残念

ながら58654号機は復活を見る事無く引退、この50系客車も

再び走れる日は来るのか…。

(八枚目)

2号車寄り車端部の車掌室です。この編成では両先頭車が

緩急車オハフ50形で、車端部に車掌室が設けられています。

50系客車はそれまでの客車とは違って緩急車では両側に

乗務員室扉を有する乗務員室を設けており、デッキを経て

客室に接する構造となっていました。

旧型客車の緩急車は乗務員室扉が無く、且つオハフ61や

スハフ42以前はデッキの内側に車掌室が有ったのとは

大きく異なっています。

(九枚目)

1号車のデッキ側の区画は車椅子スペースになっています。

これもトイレの改造と同時の設置でしょう。

ただ単に座席が無く、小さなテーブルが付いているのでフリー

スペースも想定しているのでしょうか。

車椅子マークも控えめです。

ドア幅の拡張は行われていないので、車椅子に乗車したままの

車内への移動は難しいかも知れません。

もっとも九州では783系やキハ185系の様にリニューアルされ

ても車椅子非対応の特急が残っています。

(十枚目)

デッキの客室側は木目調となり、ドアは黒く塗られています。

取っ手を逃がす為に切り欠けが付いていますが、元々50系

客車は一部を除き両開きの仕切り扉を採用し、通勤輸送に

配慮していました。その際も取っ手用の切り欠けが付いて

おり、オリジナルスタイルの名残を感じます。

(十一枚目)

デッキの車番と改造銘板です。銘板は「JR 小倉工場

平成21年改造」ですがシールスタイルなのが惜しいです。

(十二枚目)

こちらは同車両の由布院寄りの展望室です。

最後部なので由布岳など(悪天候で視界が悪かったですが)を

見る事が出来て人気のスポットでした。

3号車の展望室よりも色合いは明るく、また座席配置も

違いキッズチェアが2脚あるのは一緒ですが、他の座席は

写真の様にベンチシート、しかも左右で背もたれの形状が

異なるという水戸岡さんらしいスタイルです。

ここもフリースペース扱いです。

尚展望部の下部の窓は「SL人吉」転用時に追加されました。

(十三枚目)

この車両の非常口は3号車と違い赤く塗られています。

こちらの方が分かりやすいかも知れません。

隣のベンチシートの座面は大変カラフルです。

(十四枚目)

暗い写真ですが、非常口の隣・一般客室との仕切りの

区画は座席が無くカウンターが設けられています。

(十五枚目)

一般客室との仕切りは木製の開き戸です。

ガラスには「86」のロゴが入っています。

(十六枚目)

展望室の窓外にかすかに見えるのは豊後森の機関庫です。

久大本線には「ゆふいんの森」「ななつ星」など眺めが良い

列車が他にも走っており、豊かな沿線風景を満喫出来ます。

 

次回に続きます。

 

参考HP   九州旅客鉄道プレスリリース(公式 2024.3.26)