撮影日 2022.5.29
撮影場所 JR東日本小海線 小諸駅
前回のしなの鉄道に続き、今回から小海線を走破した記事を
紹介します。
中部地方の高原地帯を走る長大ローカル線で、かつてはC56が
走る事で有名だった路線です。春の陽光の中、気持ち良い
車窓が広がっていました。
まずは小諸駅で撮影した主役のキハ110系気動車を紹介します。
(一枚目)
・これから乗車する列車は小淵沢駅まで全線を走破する列車で、
キハ110-109+116の2両でした。写真はキハ110-116です。
ワンマン運転で、前の車両のドアが開きました。
このキハ110系については以前、キハ110形200番台について
紹介しています(2024.3.5)。
2022.5 北陸・中部旅行(キハ110形と新潟駅地平ホーム) |
キハ110系気動車は老朽化した国鉄時代の気動車の置換の為、
1990年から1999年まで製造された片開2ドアの液体式気動車
です。16m車のキハ100形と20m車のキハ110形、20m車で
両運転台のキハ111・112形が製造されました。
鋼製車体ながら軽量化に留意しており、側窓は全固定窓になって
います。当初から冷房付きでワンマン運転にも対応しており、
サービス向上と効率化を図っています。
又高出力エンジンを採用し、液体式変速機も効率が良い新型の
物を採用し、軽量のボルスタレス式空気バネ台車の採用も有り
高性能化を図っています。ブレーキは電気指令式で電気連結器
付の密着式連結器を採用し、既存の気動車との連結は出来なく
なりました。
現在も多数がJR東日本の非電化線区に在籍し、線区により
後輩のキハE130系等との併結も行われています。
この小海線で使われているのはキハ110形の100番台車です。
キハ110形は基本番台車は5両だけで、当初急行「陸中」用に
導入されたリクライニングシート付きの車両です。
100番台は一般形仕様で、1991年から39両が製造されました。
基本番台に比べスカート形状が変更されています。キハ110系は
420PSエンジンを採用しています。
小海線ではキハ110形100番台が12両配置されています。
(二枚目)
・同車のドアです。キハ110系は初期車はプラグドアを採用
していたのが特徴で、ローカル線向けの割には凝った仕様
ですが各形式との途中から通常の引戸となり、キハ110形も
200番台以降引戸となりました。
ドアは押しボタン式の半自動ドアでステップ付きです。
この車両は1991年富士重工製です。
(三枚目)
・車内です。キハ110系の一般形車については基本的にセミ
クロスシートで登場しています。16m級のキハ100は2-2列
ですが、キハ110は2-1列仕様で登場しています。
壁や天井は白系で、床は水色でモケットはピンクでバケット
タイプの座席です。
荷棚はパイプ式で天井は中央が深くなった、三セク向け気動車で
よく見かけたタイプで肩部にバス型の吹き出し口が有ります。
照明は蛍光灯で吊手はオニギリ型です。カーテンは横引き式です。
新潟で見かけた200番台と内装が異なっており、本系列は
バリエーション豊富です。
(四枚目)
・キハ110形は和式トイレを装備しており、トイレの向かい側は
車椅子スペースになっていました。
新造時から設置されていたのは200番台の途中からなので、
改造で設置された様です。
(五枚目)
・運転台は半室式で、窓は横引きタイプです。
助士側は仕切りだけで扉は有りません。
整理券発行機に運賃箱が有り、運賃表示器は液晶式です。
(六枚目)
・こちらは相方キハ110-109で、やはり1991年富士重工製です。
電気連結器は当初1段式でしたが、2段式に改造された様です。
JR東日本の気動車は線区ごとに別のカラーを採用している例が
多いですが、本系列は殆どが白地に緑が入ったカラーを採用して
います。尚小海線用車は一部が旧国鉄首都圏色や気動車色に
変更されています。
(七枚目)
・キハ110-109の側面です。
プラグドアに全固定窓と相まって、同時期JR各社で導入された
ローカル線向け気動車よりも高級感を感じます。
最高速度も110km/h(一部は100km/h)でどちらかと言えば
同時期他社で採用された快速用のハイグレード気動車並みです。
実際、一部は急行用や特急用として導入されたので。
そもそも同時期の209系よりも金がかかっている気がします。
(八枚目)
・本系列は当初は幕式方向幕でしたが、多くはLED表示器に
改造されています。この2両も三色LED改造されていました。
線区によってはフルカラーLEDになっています。
(九枚目)
・これはキハ110-109の運転台です。
こちらは先頭に立つ運転台で、運賃箱が展開されていました。
開放的な運転台なので眺めが良さそうです。
(十枚目)
・これはキハ110-116側から見た、109号の車内です。
こちらはグレーのモケットにピンクの床になっています。
116と製造時期が殆ど変わらないのですが、どちらがオリジナル
の内装なのか…。
(十一枚目)
・キハ110-116の出入口部です。ドア付近はロングシートと
なっており、袖仕切りは大型でごみ箱も有ります。
袖仕切りにはアクリル製の防風板が有ります。
(十二枚目)
・この車も車椅子スペースが追加されていました。
116と違ってベビーカーマークに加え車椅子マークも貼られて
います。
隣は優先席でJR東お馴染みのモケットが見えます。
吊手はオニギリ型で1人掛けの方に設置されており、優先席
部分は黄色です。
(十三枚目)
・小海線ホームには別にキハ111形+112形も停車していました。
隣はしなの鉄道SR1系です。
キハ111・112形はキハ110形の2両編成版です。まず急行形の
基本番台車が3編成導入され、一般形の100番台が1991年から
21本が導入されました。やはり100番台はスカート形状が
変更され、車内は1-2列セミクロスシートになっています。
キハ111・112形は次の200番台との間に2本だけ引戸に変更
&ステップ高さ変更された150番台も導入されました。
(十四枚目)
・キハ112-109の前面です。電気連結器は2段タイプに改造
されています。
キハ112形はトイレを持たないタイプです。
小海線にはキハ111・112形100番台は3本配置されています。
この車両は1991年新潟鐵工所製です。
(十五枚目)
・同車の側面です。キハ111・112形100番台はプラグドアで、
ドアが閉まっている場合はこの様にツライチになります。
やはりLED表示器に改造されています。
(十六枚目)
・相方キハ111-109の側面です。前面はホーム端にかかって
いて撮影出来ず。こちらはトイレ付きです。
やはり車椅子スペース付きに改造されており表記が有ります。
転落防止幌は有りません。
(十七枚目)
・キハ111-109の座席モケットはグレー系の様です。
キハ110系列も色々小改造が行われており、区所によっては
延命工事も行っている様ですが詳しくは分かりません。
(十八枚目)
・最後に、小諸駅に貼って有った観光列車「HIGH RAIL
1375」の停車目標です。小海線がJRの最高地点、標高
1375m地点を通る事から付いた愛称です。この後まさか
実車を見られるとは思いませんでした。
次回に続きます。
参考文献 JR全車両ハンドブック 2004
参考HP ウイキペディア 関連ページ