撮影日   2022.5.28

撮影場所  特急湯田中行き 車内

   

前回に続き一昨年乗車した、長野電鉄の看板特急電車1000形

「ゆけむり」の記事です。

今回は車内の紹介です。

 

(一枚目)

・「スーパーはこね」箱根湯本行き、では有りません。

S1編成4号車デハ1031の車内です。

 

移籍前の小田急「HiSE」こと10000形時代と殆ど変わって

おらず、両先頭車は展望構造となっています。

展望部の後ろにドアが有り、その後方が一般客室でデッキは無く

簡単な仕切りが付いており、3100形以来の小田急ロマンスカー

独特のドア配置です。

もっとも50000形「VSE」の運用離脱で小田急では70000形

「GSE」しか残っておらず、連接構造の車体を持つものは最早

長野で活躍する本形式だけです。

一般客室部は進行方向の湯田中寄りを向いていますが、展望部は

前面向きの固定座席です。

展望室部の床は低くなっており、ここだけ赤と青系のモケットが

交互に配されています。

(二枚目)

デハ1031の一般客室部です。ハイデッカー構造となっており、

眺望に配慮されています。

車内は白系の配色で床の通路部はエンジ色の絨毯が敷かれて

いますが、擦り切れている部分が有ります。

天井は平天井でラインフロー式の風洞にカバー付き照明で大変

スッキリしています。荷棚はプレートタイプとなっています。

横引きカーテンも設置されています。

座席はバケットタイプで、回転クロスシートが970㎜ピッチで

並んでいます。

小田急ロマンスカーは初代3000形以来回転クロスを採用して

いましたが、7000形「NSE」でリクライニングシートとなり

ました。しかし何故か10000形でリクライニング無しに戻って

しまいましたが、20000形「RSE」以降はリクライニング付きで

導入されています。

(三枚目)

展望室の仕切り部には鉄道友の会の1988年ブルーリボン賞

受賞プレートが設置されています。

その隣にはLED式の案内装置が設置されています。

(四枚目)

・これは中間の2号車、モハ1011車内です。

展望部以外の座席は基本的に同一で、連接車の為客室長さは

短くなっています。

小田急10000形の一般客室部の座席は編成内で青系と赤系

モケットを交互に配しており、製造メーカーによって号車で

モケットの色が違いました。

長電譲渡車は全車川重製で、同社製造分は編成両端の車両が

青系モケットとなっていた為、この様に一般客室部は青系

モケットで統一されています。

白いカバーが掛けられており、乗車時は善光寺の御開帳の

折だった為カバーに刺繍が入っています。

長電の善光寺への思い入れが感じられます。

尚この車両は1次車由来ですが、2次車由来のS2編成は背面

テーブル付きです。

(五枚目)

モハ1011の車端部です。仕切り部の化粧板は模様入りで、

ドアは茶色味を帯びた透明タイプの両開き自動ドアで古めの

喫茶店を思い出します。

仕切上部にはLED式の案内装置が設置されています。

この様に荷物置き場が設置されている場所も有りました。

(六枚目)

1号車デハ1001で、この車両は乗車時は指定席扱いでした。

車内は他の車両と変わりません。

長電の初代特急車2000系は回転クロスシート付きとは言え、

昭和30年代の私鉄特急形車両らしい車内で長く頑張っており、

最後の頃は大分陳腐化していました。

この1000系や2100系の導入で大分レベルアップし、有料

特急車らしくなったと思いますが、個人的にはかつての「日車

ロマンスカー」スタイルの2000系を復活して欲しい気もします。

(七枚目)

・デハ1001の車掌室です。公衆電話の様な折戸の車掌室

ドアはロマンスカーミュージアム保存車でも見かけました。

長電の特急は料金券が必要な為車内検札を行っています。

ドアにはさりげなく指定席の表示が有ります。

(八枚目)

1号車のデッキ部です。

ハイデッカーの一般客室側と出入口部は階段で繋がっており、

この部分には非常用梯子又はスロープが置かれています。

又補助いすも設置されていますが、ここには介助者の使用を

控える向けの案内が書かれていました。

(九枚目)

展望室側には片側に荷物置き場が設置されています。

展望部には荷物棚が無いので重宝しそうです。

壁の照明がお洒落です。

ドアには「指定席」のサボが掛けられていますが、本当に

さり気ない…。

(十枚目)

これは4号車デハ1031の写真ですが、荷物置き場の反対

側は展望室上部運転台への出入り用梯子が有り、その部分は

パンフレット類が置かれたフリースペースでした。

小田急10000形の早期廃車の理由は、リニューアルを行う

場合バリアフリー化が必須になりますがハイデッカー構造で

対応が難しかった為だそうです。長電譲渡の際には展望室

デッキ付近をバリアフリー対応にしてクリアしたそうですが、

実車を見ても車椅子マークが無く、デッキのどこが指定されて

いるのか良く分かりません。

そもそもデッキ内のどこに置いても車椅子がはみ出しそうです。

(十一枚目)

最後に壁に設置されていた栓抜きです。

国鉄時代の急行型車両で見かけたことが有りますが、まさか

バブル期・平成目前の車両でも付いていたとは…。

まだペットボトル飲料が普及していなかった頃の名残です。

 

次回に続きます。

 

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