撮影日   2022.5.28(11枚目は2022.1.24)

撮影場所  長野電鉄長野線 長野駅

      (11枚目はロマンスカーミュージアム)

   

前回に続き一昨年の北陸・中部旅行の際訪れた長野電鉄の

記事の続きです。

今回訪問の目的は特急に乗車する事でした。長電では現在

長らく特急の顔だった自社発注の初代専用車・2000系は

引退し、元小田急10000形の1000形と元JR東日本253系の

2100形が使用されています。

両者の運用は分かれており、両方に乗車を目指します。

 

(一枚目)

地下駅ながら頭端式2面3線でターミナルらしい趣の電鉄

長野駅停車中の特急車1000系S1編成で、愛称は「ゆけむり」

となっています。

見て分かる様に「HiSE」車として知られた元小田急10000形

で、隣には元東急の8500系T1編成が停車中です。

 

長野電鉄の特急は一部の区間便を除き、長野駅~湯田中駅間の

直通列車が基本で速達タイプのA特急・停車駅が多いB特急・

速達タイプでアテンダントが乗車し土休日1往復のみのS特急に

分かれます。長電の特急の歴史は古く、1957年に2000系登場に

より運行開始しており、以後何度か停車駅の組合わせは変化して

おり、列車名が付いていた時期や廃止された木島線直通が運行

されていた時期も有りました。

観光地らしく特急料金が必要で100円となっており、専用の料金

券が必要です。又一部車両は指定席で別に300円が必要、2100系

設置の個室車は個室指定券が必要です。

乗車列車はA特急の湯田中行きでした。

(二枚目)

長野方先頭車、デハ1031です。長電1000系はS編成となって

おり、S1編成は長野方からデハ1031+モハ1021+モハ1011+

デハ1001となっています。全電動車ですが制御電動車はデハ、

中間電動車はモハと使い分けています。

 

オリジナルの小田急10000形は以前この記事で紹介しています。

2022.1 関東・中部旅行(ロマンスカーミュージアム6) | 

303-101のブログ (ameblo.jp)(2023.1.16)

訪問4か月前にロマンスカーミュージアムで保存車を見学しました

が、現役の車両を長野で見る事が出来ました。

50年近く使われていた2000系置換の為に2本が譲渡されたもので、

長電には2005年に入線しました。

その際4車体5台車に短縮され、余剰中間車は廃車されました。

外観上は余り変化は無いですが、小田急時代2色に塗り分けられて

いた帯色は単色に変更されました。

その他補助電源の移設や勾配に備えた抑速ブレーキ改造、耐雪

強化が行われました。

 

車内は大きく変わっていませんが、本形式の早期引退の理由と

なったバリアフリー化は展望室出入口付近を改造対応しました。

小田急時代両先頭車とその隣だった車両が譲渡された為、トイレ付

中間車両は譲渡されていません。

入線後「ゆけむり」の愛称が付き、当初は2000系と併用され2100系

導入後は特急運用を両形式で賄っています。特急以外にも臨時列車

にも充当されます。

尚、小田急廃車後一度日本車輛にて改造後長野に送られましたが、

ハイデッカー車の為車体限界の都合上かなり大回りをして甲種

輸送され、話題になりました。

(三枚目)

長野方先頭車、デハ1031の側面です。小田急時代はデハ

10021で、1988年製の第2編成でした。もう1本S2編成は

1989年製の第4編成が種車です。尚両社とも製造は川崎

重工製で、長電譲渡の際に改造を担当した日車製の2本は

最後まで小田急に残った為長野には行きませんでした。

この車は4号車で、先頭車は制御装置を備え展望室14名+

一般客室32名となっています。

(四枚目)

・本系列は長電初のハイデッカー車且つ展望構造の車両で、

先頭車は運転台寄りのドアを境に展望部と一般客室部に

分かれています。

展望室は上部に運転台が有る小田急ロマンスカーらしい構造で、

座席は前方に行くにつれ低くなります。

この部分の座席は回転できません。

(五枚目)

3号車モハ1021です。元はデハ10022で、パンタグラフと

CPを備えます。

ドアは片デッキ式の折戸で幌は全断面式です。

隣接する先頭車の車端部に車掌室が有るのは小田急ロマンスカー

の特徴で、長野でも活用されています。

中間車は定員44名です。

(六枚目)

2号車モハ1011で、小田急時代デハ10030でした。

中間車2両はパンタグラフとCPを備える他、この車両にSIVが

移設されています。

ハイデッカー構造の為窓の位置が高く、連続スタイルの全固定

窓となっています。

長野に行っても特別車両らしさが滲み出ています。

(七枚目)

・湯田中方1号車、デハ1001の側面です。元はデハ10031

だった車両です。

座席は種車のまま回転クロスシートです。先代の2000系も

回転クロスシートでしたが、末期は向きが固定されていました。

車掌室の脇には昇降用の金具が設置されています。

車掌室に編成番号が書かれています。

(八枚目)

上述の様に長電の特急の一部車両は指定席扱いとなって

おり、この時は1号車が指定席でした。

もっとも車内サービスは変わらず、指定席の札を掲げている

だけです。

志賀高原など観光地を控える路線らしいサービスで、有料特急に

指定席サービスまで行っている所に長電の意気込みを感じます。

(九枚目)

デハ1001の行先表示器です。シンプルに「特急 湯田中」で、

展望室上部・運転台下部に設置されています。

ハイデッカー且つ展望車の為、地下区間だとかなりギリギリに

見えます。

尚長電で1000番台を名乗る車両は2代目で、初代は1948年から

導入された戦後運輸省規格型の普通列車用車両で、一部は木造車

鋼体化車両でした。

(十枚目)

8500系のトップナンバー、デハ8501と並ぶデハ1001です。

奇しくもトップナンバー同士ですが、東京時代近くを走り

ながら決して顔を合わせなかった東急8500系と小田急10000形

が並ぶ姿が見られるとは(大東急)…。

加えてJR東日本と東京メトロの車両も並ぶ姿が見られるのが

長野電鉄です。

 

尚かつて長電でも特急車に展望スタイルの車両を導入する計画が

有った様で、長い年月を経て移籍車ですが実現しました。

(十一枚目)

最後にロマンスカーミュージアム保存中の「HiSE」トップ

ナンバー、デハ10001です。

大きくは変わっていませんが、帯色の違いが分かります。

 

次回は車内編です。

 

 

 

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