撮影日   2024.3.17

撮影場所  JR九州鹿児島本線 南福岡駅

 

811系はJR九州が民営化後初めて製造した近郊形電車です。

快速列車の増発と老朽化した421系等の置換の為、1989年から

1993年までに4両編成28本が製造されました。

九州内では713・715系に続く交流型近郊形電車で、以後は

筑肥線用を除きJR九州の近郊形は交流型で製造されています。

導入当初は主に快速に使われ、現在も快速や普通列車に使用

され鹿児島本線を中心に主に福岡・北九州都市圏輸送で使用

されています。

現在も事故廃車になった編成を除き全車が南福岡電車区に

所属しており、後輩の813系や821系と併結される事も

有ります。

 

(一枚目)

区間快速 門司港行のPM104編成です。811系はP編成を

名乗っており、それに所属の南福岡を表わすMが付きます。

門司港方からクモハ810-104+モハ811-104+サハ811-

104+クハ810-104となっています。

1992年近畿車輛製です。

 

この車はクモハ810-104で、パンタグラフ・主制御装置・

主変圧器・補助電源装置を搭載します。未更新車は菱枠式

パンタのままで、交流電車の為碍子で賑やかです。

白く塗られた前頭部にブラックアウトされた前面が独特の

形状で、貫通路は非常用となっています。

前頭部以外の鋼体は415系1500番台に続いて採用された

軽量ステンレス車体で、3ドアで1枚下降窓という仕様も

同一です。

転換クロスシート車の為窓割は変更されドア間は3枚窓と

なりましたが、窓寸法は415系に合わせた為座席と窓割が

合わず、これは813系迄引き継がれてしまいました…。

(二枚目)

クモハ810形とユニットを組むモハ811-104です。

こちらは主制御器と発電ブレーキ用抵抗器を備えます。

811系は集中クーラーで製造され、当初から通風器が無い為、

屋根上は大変すっきりしています。

 

811系は車体は近代化されたものの足回りは従来車と併結の

為台車を覗いて古いままだった415系1500番台と違い、走行

関係も近代化されました。

当時最新の783系と同じくサイリスタ連続位相制御となり、

モーターも783系や713系と同型のMT61QA(150kw)、台車も

円錐積層ゴム式ボルスタレス式空気バネ台車のDT50QA(付随

台車はTR235QA)で最高速度は120km/hと高速化されました。

但しブレーキは783系と同様の電気指令式空気ブレーキですが、

783系の回生ブレーキでは無く発電ブレーキとなった為、

上述の様に抵抗器が搭載されました。これは813系300番台まで

引継がれています。

(三枚目)

付随車サハ811-104です。

811系は無塗装の車体に赤と水色のラインカラーが交互に入った

独自のデザインです。一部パターンが違う異端車もいる(いた?)

様です。リニューアル車ではデザインが大幅に変わっています。

未更新車はこの様に転落防止幌未設置が基本ですが、一部に

設置車両もいます。

 

811系は当初0番台が17本製造され、その後1992年からは

ドア間の端の座席が固定化され定員が増加した100番台となり、

11本が製造されました。

この内105・106編成のみは臨時列車を考慮してサハ811形にも

トイレが設置され、同編成はサハ811形200番台が組み込まれて

います。よってサハ811-105・106は欠番です。

尚後輩の813系では基本番台ではドア間の座席は再び全転換

可能となり、100番台で再度端の座席が固定化されました。

(四枚目)

行先表示器は種別と行先が個別表示のタイプで、種別の

区間快速はオレンジ地、その下に福間まで快速と表示されて

います。JR九州の区間快速はかつて準快速と名乗っており、

列車によって快速区間が違うのが特徴です。

811系はフォントが独特で、特に英字部分は優雅なデザインです。

準快速→区間快速など幕が更新される機会も何度かありつつ

他形式と異なったデザインのまま乗り越えてきましたが、

リニューアル車ではフルカラーLEDとなりました。

 

少し見える座席モケットは青色市松模様です。枕部はレザー

カバー付きです。

北部九州の車両ではよく見かける青色市松模様のモケット

ですが、民営化後の新車では811系だけです。

尚かつて存在した「スペースワールド号」PM11編成は内外装

共に独自のデザインでしたが、更新され消滅しました。

(五枚目)

クハ810-104です。頻繁に増解結が有る為電気連結器を

装備しています。和式トイレと補助電源のSIV、CPを搭載

しています。尚811系はサハを除いた3両編成も可能で、

更に機器を変更して2両編成も可能な設計です。

カッコいいスタイルの前面とロゴですが、貫通路周りが

傷んでいるのが残念です。

 

811系は製造開始から30年近く経った2016年からリニューアルが

開始され、制御装置をSic素子使用のVVVF制御化・回生ブレーキ

設置・車内の更新及びオールロングシート化・塗色変更・行先

表示器のフルカラーLED化・集電装置変更等大幅な改造が実施されて

います。車番は当初+1500となり、途中から全車車椅子スペース

設置となった為+2000(改造当初から車椅子スペース付きのクハは

+1500のまま)となりました。更に検測装置搭載車はそれに加えて

+6000となった為、番台区分がかなり複雑となりました。

一時期更新が中断した時期も有りましたが、現存全編成が更新予定で

既に過半数を超えています。

当編成もいずれ更新されると思われ、この姿も長くないでしょう。

 

以上です。

 

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