撮影日   2022.5.28

撮影場所  快速「おいこっと」号 長野行き車内

   

前回に続き、一昨年乗車した飯山線の観光列車「おいこっと」

号の記事です。今回から車窓を紹介して行きます。

個人的に長野県に足を踏み入れるのは三回目ですが、いずれも

少ししか足を踏み入れていなかった為、本格的に長野を旅行

するのはこれが初めてでした。

 

(一枚目)

飯山線は割と新しい駅舎が多い様に感じました。

これは越後水沢駅で、1929年開業の1面1線の無人駅です。

ここはコテージ風の洒落た駅舎にシンボルツリーが聳え立って

いますが、これは「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエン

ナーレ」開催の際、芸術家の手でパブリックアートになった

為との事です。

北越急行でも駅舎や車両で同事業の手に拠ったものが有り、

当地方への影響力の大きさが分かります。

(二枚目)

その先、越後水沢駅と越後鹿渡駅の間で信濃川を渡りました。

信濃川は長野県内では千曲川と名乗っており、飯山線はこの

川に沿って走っています。

水量も豊富で、確かに「日本のふるさと」という感が湧きます。

(三・四枚目)

・車内から眺める信濃川は大変綺麗で、春の川べりは新緑

豊かに見え、晴れ渡った天気に映えていました。

 

ここで飯山線について説明すると、長野県は豊野駅を起点と

して新潟県の越後川口駅に至る全長96.7kmの長大な地方

交通線です。豊野駅は現在はしなの鉄道が接続していますが、

元は信越本線でした。越後川口駅では上越線に接続します。

非電化で全線単線、特殊自動閉そく式となっています。

基本的にキハ110系の普通列車で全線通すと3時間近く掛かり

ますが、通し列車は少なく途中戸狩野沢温泉駅や十日町駅で

折り返す列車が多いです。又豊野方は全列車しなの鉄道に

直通し長野駅まで乗り入れます。

 

元は飯山鉄道が豊野駅から飯山駅間を1921年に開業させた

のを契機とし、一方越後川口方からは1927年に国鉄十日町線

として越後川口駅から越後岩沢駅間を開業したのが始まりです。

その後双方が延伸を行い、1929年に十日町駅にて双方が

繋がり全線開業となりました。

1944年に戦時買収で飯山鉄道が国有化され、十日町線と一緒に

飯山線と改称されました。以後は大きな変化は無く現在に続いて

います。

沿線は新潟と長野の山間部の為豪雪地帯で、かつては排雪列車が

有名でした。又豪雪地帯の山間部ながら飯山鉄道は早い段階で

ガソリンカーを導入しており、似た様な条件の佐久鉄道(現

小海線)と共に大変だったのではないかと思います。

(五枚目)

ブレ気味ですが津南駅です。温泉施設が同居している為

建物は立派で、簡易委託駅でホームは1面1線の棒駅です。

この近辺はスキー場が多く、越後交通グループが冬季は

スキー場へのバスを多く運行しており、バラエティ豊かな

車両が使われているので一度見てみたいです。

尚「るろうに剣心」ファンならどうしても月岡津南を連想

してしまいます。苗字も名前も新潟の地名です。

(六枚目)

その先、足滝駅を過ぎると長野県に入り最初の駅が森宮

野原駅です。1925年の開業です。

長野県内最北端の駅で、一部列車が折り返します。

ここは2階建ての立派な駅舎で、地元の交流館が入居しており

2004年に建てられたそうで簡易委託駅です。

島式ホーム1面2線となっています。

長野県栄村の中心地との事で駅前に商店も見えますが、

栄村は群馬県とも接しており3県の県境となっています。

(七枚目)

・ここは戦時中の1945年(昭和20年)2月12日に7.85mの

積雪があり、鉄道駅での積雪最高記録となっています。

それを伝える標柱が建っていました。

積雪7m以上というのは九州人には想像も出来ませんが、

飯山線は暫し豪雪での運休が有りました。

(八~十枚目)

この辺りは名前が変わった千曲川に沿って走ります。

沿線は穏やかで大変長閑で、気動車のエンジン音が心地良く

響きます。

キハ110形の乗り心地は良く加速も良好でした。

車内では車販が行われ、モニターで車両や沿線の案内が

行われていました。ナレーションは「まんが日本昔ばなし」

でお馴染みだった故 常田富士男さんで、久々にあの声を

聞きました。

(十一枚目)

快速「おいこっと」は途中、津南・森宮野原・上境・戸狩

野沢温泉・北飯山・飯山・替佐の各駅に停車します。

もっとも通過駅でも停車していた駅も有りました。

また駅によっては停車駅が長く、所要時間は普通列車と大して

変わりません。

ここは沿線の主要駅の一つ、戸狩野沢温泉駅です。

数分間の停車時間を利用して撮影しました。

(十二枚目)

ここは1923年に戸狩駅として誕生、1987年に戸狩野沢

温泉駅と改称されました。

島式1面2線ホームを持ち、現在も直営の有人駅です。

一部列車はここで折り返し、留置線もあります。

駅舎は1993年竣工の新しい駅で、ホームも比較的綺麗でした。

飯山線はどうも近年駅のリニューアルが進んでいる様で、

力を入れられているのは良い事ですが、昔ながらの木造駅舎が

少ないのは物足りなく感じました。

もっとも隣の信濃平駅は未だに有蓋緩急車改造の駅舎らしい

ので、撮影しておけば良かったです。

(十三枚目)

この辺りでは水田も見かけました。既に水が張られており、

豊かな雪解け水が美味しいお米を作りそうです。

美しい川と田圃、日本人の「ふるさと」を表わすアイコンと

言えましょうか。

 

次回に続きます。

 

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