撮影日   2022.5.28

撮影場所  JR東日本飯山線 十日町駅

     

前回までの「越乃Shu Kura」の記事に続き、今回から一昨年の

北陸・中部旅行の際乗車した飯山線の観光列車「おいこっと」号

を紹介して行きます。

今回の旅は中部旅行の長いローカル線の走破も目的としており、

飯山線・小海線・飯田線といずれも長いローカル線の初乗車&

完乗を目論んでいました。

そして都合よく「越乃Shu Kura」~「おいこっと」と観光列車で

飯山線を走破する事が出来ました。

 

(一枚目)

十日町駅で出発待ち中の臨時快速列車「おいこっと」長野

行きです。飯山線を豊野駅まで走破し、豊野駅から長野駅間は

しなの鉄道に乗り入れます。

同列車は2014年から冬季以外の土日祝日や多客期に1往復運行

されており、冬季は「雪のおいこっと」として運行される場合が

有ります。「越乃Shu Kura」と並ぶ飯山線の観光列車です。

飯山線自体が営業キロが96.7kmと長く、「おいこっと」も

全区間で営業キロが86.1kmと比較的長い列車で全区間で

2時間30分以上かかり、十日町駅発分だと飯山駅での停車時間が

長い事も有って3時間近く掛かります。普通列車と殆ど所要時間が

変わりません。全車指定席となっています。

 

名前は「TOKYO」のローマ字読みを逆さに読んで「おいこっと」

とし、東京と対極のふるさと(田舎)をイメージさせるようにして

います。列車のコンセプトも『「日本人のこころのふる里」を

代表するローカル線といえる飯山線を走る列車として、訪れる

全ての人にやすらぎと癒しを提供したいという思い』(JR東日本

公式HPより)となっており、飯山線が日本の代表的なローカル

線のイメージになってしまっています(多分そう)。

(二枚目)

2両編成となっていて、飯山線の主力形式・キハ110形

200番台が使われています。

JR東日本ではジョイフルトレイン→観光列車として最初は

キハ28・58、次いでキハ40・48と国鉄時代の気動車を

種車にしていましたが、遂に民営化後の新製車も種車と

なりました。既にキハ110系で統一されている線区には

車種統一の為にも有利なのでしょう。

他に「HIGH RAIL 1375」「POKEMON with YOU 

トレイン」もキハ110系の改造車です。

(三枚目)

1号車・キハ110-235です。

前の記事でも述べましたが、飯山線のキハ110系は全て元

「秋田リレー」用300番台の改造車で、当車はキハ110-313と

名乗っていました。1996年新潟鐵工所製です。

尚後述しますが、「おいこっと」改造前にもこの2両は特殊な

仕様を持っていました。

(四枚目)

外観については大きな手は加えられておらず、塗色の変更

程度となっています。

行先表示器はLED改造されていますが、飯山線では一般形も

LED改造済みです。というかキハ110系列で幕式のままの

車両はまだいるのでしょうか。

一方車内は大きく手が加えられており、次回以降紹介します。

(五枚目)

2両で塗色は異なっており、茅葺き屋根の民家の襖や障子を

イメージしたものになっています。和風家屋のイメージです。

塗色はえんじ色とアイボリーですが、2両で配色が異なり

1号車はアイボリーが地色で窓周りやドアがえんじ色です。

ドア付近にはイラストも描かれています。

 

ドアは種車のまま片開2ドアで押しボタン式半自動ドア、車椅子

及びベビーカーマーク付きです。定期の普通列車にも充当される

為改造は比較的小規模です。

(六枚目)

2号車キハ110-236で、こちらは飯山方になります。前面も

原型のままで、シンプルなキハ110の顔のままです。

2両とも車内の仕様は基本的に同一で、両車とも定員38人です。

こちらは旧番キハ110-314で1996年新潟鐵工所製、キハ110形

300番台のラストナンバーでした。

連結器は1段式の電気連結器付きの密着連結器で、自動解結

装置も備えます。ゴツいスカートが目を惹きます。

(七枚目)

同車の側面です。2両でデザインが異なるのが分かります。

この2両は200番台改造の際、「眺望車ふるさと」として

1-3位側(千曲川向き)の窓側に全座席が向けられる様になって

おり、小型テーブルも付いていて1-3位側の側窓はロール

ブラインドとして眺望に配慮していました。

その後236は早期に通常仕様に改造、235もBOXシートに

改造されましたが一般形と一部異なる仕様でした。

その後揃って「おいこっと」に改造されました。

(八枚目)

こちらは前頭部分がえんじ色で、ドア部分はアイボリーと

なっています。

今まで乗ってきた「越乃Shu Kura」の寒色系デザインと

好対照ですが、並びは撮れませんでした。

(九枚目)

側面です。

襖や障子をイメージした格子模様に民家や田畑、兎や魚と

いった「田舎」らしいイラストが描かれています。

キハ110系はどちらかと言えば都会的な車両ですが、

結構似合っています。

まあ本当に田舎らしい車両(キハ20系や旧型客車等)には

この様なデザインでは無く国鉄時代の塗色のままにした

方がはるかにそれらしく思えます。

(十枚目)

「おいこっと」のキャラクターです。

蓑笠らしきものを被っているのは流石雪国です。

その下には「いいかわ、いいそら、いいやません。」という

秀逸なキャッチコピーが書かれています。

(十一枚目)

台車です。

ボルスタレス式空気バネ台車で、キハ110系では形式や製造

時期によって異なりキハ110形200番台(240以前)では

DT58A(付随台車はTR242)です。

足回りは改造後も変わらず420PSエンジンを1基搭載して

おり、変速機は液体式でブレーキは電気指令式、直通予備

ブレーキと耐雪ブレーキも備えます。

(十二枚目)

連結面の表示は「普通」となっていました。

側面がLED改造されても前面は種別のみの表示の為か他の

キハ110系も幕式のままです。この車両は種別表示の下に

「ワンマン」表示が有りますが、他のキハ110系では種別

表示器に「ワンマン」と書かれていたりしてバラエティが

有ります。

 

 

次回は車内編です。

 

参考文献  JR全車両ハンドブック 2004 

 

参考HP   JR東日本(公式HP)

 

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