撮影日   2022.5.28

撮影場所  JR東日本信越本線 青海川駅(1・2枚目は高田駅)

 

前回に続き、一昨年の北陸・中部旅行の記事です。

今回からこの旅の目的の一つだった、JR東日本が誇る観光列車・

「越乃Shu Kura」(こしのしゅくら・Kの前にアスタリスクが付く

のが正しい表記)乗車編で、高田駅から十日町駅まで乗車しました。

 

「越乃Shu Kura」は2014年の新潟県のディスティネーション

キャンペーン開催に合わせ、同年から運行を開始した観光列車です。

同社お得意のキハ40系列を改造した観光列車で、同系の改造車と

しては最後発の存在です。

特徴としては新潟県の名産・日本酒を車内で味わえるという事で、

当列車のコンセプトとなっています。

現在は冬季を除き主に土日祝日の運行となっており、既に一般形が

引退したJR東日本では貴重なキハ40系でも有ります。

 

(一枚目)

・架線下の中、エンジン音を響かせ「越乃Shu Kura」がやって

来ました。

上越妙高駅~十日町駅間の列車ですが、都合により高田駅からの

乗車です。

尚他に「ゆざわShu Kura」(上越妙高駅~長岡駅間)「柳都Shu Kura」

(上越妙高駅~新潟駅間)として運行される場合も有ります。

それらの列車では全区間電化区間での運行となります。

又上越妙高駅~直江津駅間はえちごトキめき鉄道に乗り入れての

運行です。

(二枚目)

列車は3両編成で、長岡方から1号車となりキハ48 558+

キハ48 1542+キハ40 552となっています。

いずれも寒地形の500番台グループで、台車はウイングバネ式

空気バネ台車DT44A(付随台車はTR227A)を履くグループです。

JR東日本ではキハ48形の観光列車改造例が多く見られるのが

特徴で、他社では西日本の「花嫁のれん」(現存唯一の準寒地形

0番台グループ)だけです。

特にキハ40とキハ48の2両を組んだ3両のパターンが多く存在

しましたが、ハイブリッド車HB-E300の導入も有り東日本の

キハ40改造観光列車は「リゾートしらかみ くまげら編成」

(キハ40×2+キハ48×2)、「びゅうコースター風っこ」

(キハ48×2)と本編成だけとなってしまいました。

そして現存の東日本キハ40系列はこの9両だけという…。

(三枚目)

ここからは途中の停車駅・青海川駅で撮影した写真です。

これは3号車・キハ40 552で1979年新潟鐵工所製です。

改造時に屋根上にAU26J-Aクーラーを2基搭載、エンジンを

DMF14HZC(300PS)に換装しています。

車内は先頭側にフリースペースを設け8名分のソファーを

設置、その後位には2-2列の回転リクライニングシートを

設置し定員36名です。トイレは洋式に改造されています。

この車両の座席は一般発売されています。

 

JR東日本の観光列車改造車では前面を大きく改造した例が

有りますが、こちらは原型を留めています。前照灯はLEDに

なっており、行先表示部は愛称表示になっています。

(四枚目)

1号車の側窓は縦長の大型固定窓になっています。

恐らく車体側面中央部分は殆ど改造の際に新製されていると

思われ、大変大がかりな改造です。

キハ40系列のイベント改造車は他社では側窓は比較的原形を

留める例が多いですが、東日本では大幅に改造した例が多く

見られました。

(五枚目)

フリースペース部は先頭車側運転台後部に設けられています。

この部分は窓割が異なっています。

(六枚目)

1号車と2号車の連結面側の運転台は残されていますが、

営業運転で分割される事は無いと思われます。

LED式の行先表示器が新設されていますが、西日本や九州の

LED表示器設置車よりスマートな改造です。

(七枚目)

・中間の2号車、キハ48 1542です。

1981年新潟鐵工所製で、トイレ無しでの製造です。

改造時に上述の様にエンジン換装と冷房化を受けています。

当車両は「酒造の様子をコンパクトに表現」したイベント

スペース車両となっており、車両中央部にスタンディング

テーブル・後位連結面寄りにサービスカウンターを備えて

酒食を提供しています。

又側窓は左右で異なり、この1-3位側は縦長の大型窓を

下部で分割したスタイル、2-4位側は酒造の壁面の漆喰を

イメージして小型の固定窓になっています。

 

 

(八枚目)

1号車、キハ48 558の前面です。1981年富士重工製で、

キハ48の500番台は59両の製造だった為ラストから2番目の

番号です。

改造時にエンジン換装及び冷房化が行われ、側窓の大型固定

窓化も行われています。

片デッキ化も各車共通で施工されています。

キハ48 500・1500番台は昭和53年度第2次債務車より

側面の縦樋が内蔵となっており、本編成2両も同様です。

(九枚目)

この車両はびゅう旅行商品専用車となっており、一般販売は

行われていません。車内の撮影は出来なかったので外側から。

定員は34名となっており、先頭側は写真の様にコンパート

メントタイプの座席(らくらくボックスシート)となっており、

合計4BOX設置されています。

(十枚目)

連結面側は左右側面それぞれ日本海側を向く様な座席配置で、

手前側は展望ペアシート(4列)、奥側はくつろぎペアシート

(5列)となっています。

(十一枚目)

1号車は車椅子対応となっています。

塗色は紺色ベースに白が入っており、ドア脇にロゴが入って

います。

(十二枚目)

キハ40と48の連結面です。転落防止幌未設置です。

前照灯はLEDの様に見えますが、行先表示器は原型と思われ

ます。

 

個人的にキハ48を目撃&乗車したのはかつて山口にいた

0番台に乗車した時以来です。

JR西日本に僅かにいたキハ48で、延命工事施工済みでしたが

トイレ前は立席スペースのまま(車椅子スペースではない)、

ワンマン改造は未施工でキハ47の非ワンマン車と共通で

運用されており、側面LED式行先表示器未設置だったのを

思い出します。

(十三枚目)

キハ40 552の標記です。

上から「形式 キハ40 自重 41.6t 換算 積 4.5 空

4.0」となっています。製造時の自重は37.3tの為約4トン重く

なっています。

検査標記は「31-3 郡山総合車セ」となっています。磐越西線

経由での入場でしょうか。「越乃Shu Kura」改造も同所での

施工です。 

(十四枚目)

こちらはキハ48 558の銘板です。

上から「JR東日本」「宇都宮 富士重工 昭和56年」

「JR東日本 郡山総合車両センター 平成26年改造」と

なっています。

キハ48の連結面側は転落防止幌付きです。

 

次回に続きます。

 

参考文献 鉄道ピクトリアル NO.805(2008.7)、806

               (2008.8)、924(2016.11)、925(2016.12) 

 

参考HP  JR東日本 公式HP

 

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