撮影日   2022.5.28

撮影場所  JR東日本信越本線 新潟駅

 

前回に続き、一昨年の北陸・中部旅行の続きです。

新潟駅での撮影を終え、いよいよ次の目的地・高田に向け

特急「しらゆき」に乗車します。

かつて新潟地区と言えば名優・485系の天下でリニューアル

車3000番台とそれ以外でも様々な改造を受けた車両が集結し

バラエティに富んでいました。

最後は3000番台が残存し、485系最後の定期運用として2016年

まで快速列車用として使われていました。

現在はそれに代わりE653系が新潟地区の特急列車に使われて

います。

尚以前この記事で紹介済みです(2021.9.9)。

JR東日本E653系 K70編成(国鉄色編成) | 303-101のブログ 

(ameblo.jp)

 

(一枚目)

・新井駅行き特急「しらゆき」2号です。

「しらゆき」は新潟駅~上越妙高・新井駅間を4往復(執筆時点)

しており、信越本線新潟口唯一の特急列車で直江津駅~新井駅

間はえちごトキめき鉄道に直通します。但し同区間も元は信越

本線でした。

「しらゆき」は2015年に同区間を運行していた快速「くびき野」

を格上げして誕生したもので、485系が使用されていました。

現在信越本線の定期特急列車は「しらゆき」と、篠ノ井駅~

長野駅間を走る「しなの」(臨時ながら平日運行基本的に毎日

運行の「信州」も存在)だけとなっており、隔世の感が強いです。

(二枚目)

「しらゆき」はE653系の4両編成1100番台が使用されており、

7両の1000番台車使用の「いなほ」と運用が分かれています。

塗色も別個となっており、様々な塗色が存在する1000番台と

違って1100番台はアイボリーに紫紺と朱赤の帯が入っています。

又、グリーン車も存在しません。

1100番台は4連4編成が存在しており、H編成を名乗っています。

基本的に元の「フレッシュひたち」増結用の4両編成を転用して

いますが、この編成はその中でも特異なH-204編成です。

側面行先表示器は3色LED式で、側窓は固定窓です。

(三枚目)

この車両は新潟方先頭車、クハE653-1104で4号車です。

この編成はクハE653-1104+モハE652-1104+モハE653-

1104+クハE652-1104となっています。

補助電源を持つ制御車でトイレは無く、定員68名です。

 

この編成だけは元々7両の基本編成で、1998年日立製作所

製のK308編成でした。制御車は車番末尾8、電動車は末尾

16を名乗っていました。

「フレッシュひたち」は7連の基本編成+4連の増結編成で

運行されており、基本編成の中間車に車椅子対応設備を設置

していました。

2005年に4両編成が1本(K354編成)増備されましたが、

同編成は交通バリアフリー法対象の為相応の設備を設置する

事が必要だったところ、増結編成単独運用は無かった為

対応設備を持たず落成しました。

 

ところが「いなほ」「しらゆき」転用に際し各自の単独

運用が必須になると、K354編成については上記法規制対応

改造が必要となり、元K308編成は4両に短縮されH-204編成に、

元K354編成はK308編成から3両を組み込んで7両化され、

U-108編成となりました。

その後U-108編成は勝田に出戻りし波動用となり、国鉄

特急色に変更されK70編成となりました。

今までに2本しか見た事が無いE653系ですが、よりによって

因縁の深い2本に遭遇するとは…。 

(四枚目)

3号車モハE652-1104です。

主変換装置と補助電源のSIVを搭載し、モハE653とユニットを

組みます。トイレと洗面所を備え定員72名です。

E653系の車体はアルミダブルスキンで、片デッキ式です。

クーラーは集約分散式で各車2基備えます。

転落防止幌も設置されています。

(五枚目)

・2号車はモハE653-1104で、主変換装置とパンタグラフを

備えます。定員は72名です。

 

E653系の足回りについて、制御装置はIGBT素子のVVVF制御で

ブレーキは電気指令式空気ブレーキで回生・抑速ブレーキを備えます。

モーター出力は145kwで駆動装置はTD継手平行カルダン駆動、

台車はボルスタレス式でヨーダンパを備え、最高速度は130km/hです。

転用後も制御装置の更新は行われていない様ですが、いずれ更新

されるかも知れません。

(六枚目)

パンタグラフはシングルアーム式です。

交直流電車の為碍子が物々しいです。

尚本系列の特徴として、485系の後釜として交流50/60HZ

双方に対応した3電源式になっているのが特徴です。

現在の特急形で定期運用に就く形式で3電源式なのは本系列

だけとなっています。

北陸本線乗り入れも想定しての設備だそうですが、近い新潟に

転属した現状でも60Hz区間への直通運用は有りません。

北陸本線区間が3セク各社に分割されているので、今後も

60Hz区間を走る事は有るのでしょうか?

 

(七枚目)

1号車クハE652-1104です。

この形式だけ2ドアとなっており、転用時に一部座席を車椅子

対応に改造した為側面に車椅子マークが貼られています。

トイレ・洗面所付きで定員54名です。

尚この車両は元0番台でCPと蓄電池を搭載していましたが、

増結編成用の100番台からの改造車に合わせ撤去しています。

(八枚目)

前面は流線型ながら弧を描いたデザインで高運転台式です。

この造形は後輩で交流専用のE751系にも受け継がれています。

転用に際し耐寒耐雪装備を強化し、スカートの交換とスノー

プラウ設置が行われ、電気連結器設置車は撤去されました。

JR東日本では民営化後の特急形も引退が始まっていますが、

本形式は地方線区向けで汎用性も高いのでまだまだ活躍するの

ではないでしょうか。7両編成に至っては2本が波動用として

勝田に出戻り首都圏に返り咲いています。

(九枚目)

続いて車内を一部先行的に紹介します。

デッキには大型の手荷物置き場の設置箇所が有ります。

化粧板は明るい木目調となっています。

(十枚目)

一部車両に設けられているトイレです。

男女共用で、中を確認していませんが洋式でしょうか。

E653系の車椅子対応トイレは基本編成組み込みのサハだけの

設置で、その為当編成が組み替えられ事になりました。

(十一枚目)

洗面所も独立して設置されています。

手入れが良く清潔感が有る様に感じます。

(十二枚目)

最後に謎のスペースです。

白く大きな物体が何なのか気になります。

どの車両で撮影したか覚えていませんが、ひょっとしたらモハ

E653形設置の電話室又は自販機設置個所でしょうか。

 

次回に続きます。

 

参考文献  JR全車両ハンドブック 2004

 

参考HP  ウイキペディア 関連ページ