撮影日   2022.5.27

撮影場所  JR東日本信越本線 直江津駅

 

一昨年の北陸・中部旅行の記事の続きで、直江津駅でえちご

トキめき鉄道の413系・455系を堪能した後、初訪問の

北越急行に乗車し、全線を走破し越後湯沢駅まで乗車する事に

しました。途中の犀潟駅までとはJR東日本で、いよいよ今回の

旅で東日本エリアに進出して行きます。

 

(一枚目)

越後湯沢駅行きの普通列車は驚いた事に同社の主力・HK100

形の一般車では無く、特別車両の「ゆめぞら」編成でした。

こちらは直江津方先頭車のHK100-101です。

前パンが勇ましいです。

 

HK100形は北越急行開業に合わせ、1997年から製造された

直流型電車です。一般形車両8両と多目的車2両がまず製造され、

20m級鋼製車体で片開き2ドアの単行仕様で製造されました。

製造は地元の新潟鐵工所で、同社の3セク気動車の標準型「NDC」

ベースの車体となっています。

前面は貫通スタイルで側窓は全固定窓、集中クーラーを採用し

行先表示器はLEDです。

同線では160km/hの「はくたか」が運行されていた為、それに

合わせ最高速度110km/hと高速仕様で製造されました。

製造時からワンマン運転に対応しています。

(二枚目)

同車の側面です。

乗車した車両は2003年に導入された増備車で、100番台と

なりました。製造は新潟鐵工所の後身・新潟トランシスです。

同社では2002年に多目的車のHK100-9を改造し、線内の多くを

占めるトンネル内で星座を天井に投影するプラネタリウム列車

「ほしぞら」に改造しました。

好評だった為増備車として「ゆめぞら」の愛称で導入されたのが

本番台で、他車と違い2両編成となり(検査時等一般車と1両単位

で混結可能)、専用の塗色で導入されました。

その為行先表示器は車端部に設置され、転落防止幌も有ります。

尚好評だった為、更に多目的車の8と9(「ほしぞら」改造車)が

「ゆめぞら」と同仕様に改造され、「ゆめぞらⅡ」となりました。

(三枚目)

相方HK100-102です。後方にはえちごトキめき鉄道のET127

形が見え、この直江津駅では多様な車両が出会います。

「NDC」らしくブラックアウトされた前面で幌枠が付いた貫通型で、

前照灯・尾灯は貫通路上部と窓下部左右に設置されています。

スカートも設置され、密着連結器で電気連結器も設けられています。

 

足回りについてはモーター出力は95kw×4基となっており、駆動

装置は平行カルダン駆動です。制御装置はIGBT素子のVVVFイン

バーター制御で、ブレーキは回生・発電ブレーキ併用の電気指令式

空気ブレーキとなっています。北越急行の車両は特急用の681・

683系も含め開業時から全車VVVF制御となっています。

尚後年開業時導入のHK100形については機器更新や腐食部の

修理等のリニューアルが行われ、塗色も一部変わりましたがこの

100番台に関しては施工されたか不明です。

(四枚目)

同車の側面です。ミラーが設けられています。

元は白地に赤と灰色の帯が入った塗色で、青帯の標準塗色と色違い

のデザインでした。

その後2018年に付近で開催された芸術祭に合わせ専用の塗色に

変更され、「DAIDHI号」という愛称が付きました。

事前に抱いていた北越急行の塗色と大きく違ったので、最初

見た時は大いに驚きました。

(五枚目)

・102号は車端部側にパンタグラフが設置されています。

下枠交差式となっています。

尚現在「ゆめぞら」は日曜日に固定ダイヤで運行され、2両

中の1両で線内4か所のトンネル内で季節に応じ、星座のみ

ならず花火や海中といった5種類の映像が天井に映し出されます。

その様な特別な車両に特別料金不要で乗車出来るのは凄い

事です。

(六枚目)

ここからは車内です。

HK100形の一般車(1~7、10)はセミクロスシート、多目的車

(8・9)はイベント対応でオール転換クロスシートで製造され

ました。新潟県内ではトキ鉄ET122形導入まで唯一の転換クロス

シートの採用例でした。

100番台は多目的車に準じ、転換クロスシートとなり車端部のみ

ロングシートとなっています。

この100番台ではデッキが設けられ、ガラス張りで開放感が

有りますが貫通扉も設けられています(乗車時は開放状態)。

尚この102号は荷棚部にイラストが描かれています。

(七枚目)

こちらは101の車内です。

天井は平天井でラインフロー式の吹き出し口で、天井はライト

グレーで壁もグレー、そし手壁には読書灯?が設けられています。

床も2色のグレーの塗り分けです。

座席も青系と寒色系の車内で、白い壁に赤いモケットの一般車と

大きく内装が異なります。

奥は連結面側で、運賃表示器はデッキ内に設けられています。

(八枚目)

運転台側です。こちらは運転台に運賃表示器設置の為

見切れています。デッキの上部は完全に仕切られていません。

転換クロスはバケットタイプで上部が分かれており、水色の

カバーが設けられています。

大変上質な車内でデッキ付き2ドアという仕様は有料列車でも

相応しいと思います。

(九枚目)

デッキ内には車椅子スペースも設置されています。

尚同社では貨客混載事業を行っており、荷物搬送用の際固定

する為のラッシングベルト設置金具が壁に設けられています。

(十枚目)

本編成の特徴・天井部です。

乗車時は上映していなかったので詳しい方法が分かりませんが、

2両で上映方法が違うらしくこの101はDVD7台とプロジェクタ

14台を使用、102はブラックライトとプロジェクタ6台を

使用して上映している様です。

その違いに起因してかこの101は片側に荷棚が有りません。

いずれも照明は間接照明で、普通列車用としては破格の内装です。

(十一枚目)

運転台側のドア付近です。

ステップが無いのが三セク転換用の「NDC」との相違点で、

ドア内側には化粧板が貼られています。

ドア上部には三角表が貼られています。

寒冷地の為デッキのみならずドアは押しボタン式の半自動ドア

となっています。

ところで…ドア左上には元々乗降口表示装置が有ったのでは

無いかと思うのですが、写真では撤去され孔だけが残り、

しかも明らかに塞がれていません!鋼体が見えます。

走行中に風が吹いて来るはずで、トンネル内や降雪時には

大変なのでは無いでしょうか…。

(十二枚目)

こちらはHK100形でも「ゆめぞら」100番台にしか存在

しない、車端部座席です。

貫通路は1枚窓が設置され、貫通扉も有りますが開放状態でした。

壁の非常灯がややレトロです。

尚天井に掴み棒なのか、謎のパイプが有ります。

床は中央が濃いグレー、両脇が薄いグレーです。

(十三枚目)

この部分のみロングシートで、バケットタイプです。

袖仕切りが設置されており、仕切り板は曲線を描いたタイプで

荷棚と繋がっています。

この区画はデッキでは無く袖仕切りに風防が設置されています。

一般形はこのスタイルですが、袖仕切り板が100番台より大きく

なっています。

荷棚の備品入れ用の道具箱も気になります。

(十四枚目)

運転台です。

半室式となっており、貫通扉はステンレス無塗装です。

運賃表示器は液晶式で停車駅の案内も表示されており、

運賃箱も設置されています。

(十五枚目)

運転台は左手ワンハンドル式で、モニタ装置も設けられています。

速度等はアナログ式となっています。

(十六枚目)

最後に助士側です。

仕切られておらず開放的で、ミラーも設けられています。

撮影時は時節柄ビニールカバーが付いていました。

パンフレットも設置されています。

 

次回は越後湯沢に向かいます。

 

 

参考HP  ほくほく線 北越急行株式会社(公式HP) 

 

     ウイキペディア 北越急行HK100形電車