撮影日   2022.5.27(7~13枚目は2022.5.28)

撮影場所  えちごトキめき鉄道 妙高はねうまライン

      直江津駅(7~13枚目は高田駅)

 

一昨年の北陸・中部旅行の記事の続きです。今回はえちご

トキめき鉄道所属の電車の主力、ET127系の紹介です。

 

(一枚目)

・隣の車両が気になりますが、紹介は次回で。

ワンマン新井行きのV8編成ET127-8です。尚相方のET126-8は

制御車ですがトキ鉄移籍後に霜取り用にシングルアームパンタを

増設しています(V9編成も同様)。

 

えちごトキめき鉄道ET127系は元 JR東日本のE127系0番台

だった車両です。同系は新潟地区の近郊輸送に使用されていた

165系電車の置換の為、2両編成13本が導入されました。

165系は老朽化が進み、又2ドアデッキ付きクロスシートで

ラッシュ時輸送に不向きな形式でしたが、本系では3ドアロング

シートとし、2両単位で効率的な輸送を目指しました。

209系ベースの軽量ステンレス車体を採用し、東日本の直流

ローカル電車としては初のVVVF制御車となりました。

東北の主役・701系の直流版と言えそうですが車体デザインは

大きく違っています。

当初から車内収受式ワンマン対応で落成しています。

尚1998年には松本地区用に改良型の100番台が導入されましたが、

そちらは701系仕様の前面・側窓形状となり車内はセミクロス

シートで車椅子対応トイレとなり、行先表示器もLEDとなって

います。いずれ紹介予定です。

 

13本が導入され、長く新潟地区で115系と共に近郊輸送に活躍

しましたが、2008年にV3編成は事故廃車され、2015年のえちご

トキめき鉄道開業時にV1・2、4~11編成の10本が譲渡され、

同社のET127系V1~10編成となりました。

尚残る2本は弥彦線で限定運用されていましたが、新潟地区が

E129系に統一される事になり2022年に一度定期運用を終了

しました。その後落雷被害に遭ったE129系の代走も見られました

が、南武線支線(尻手駅~浜川崎駅間)の205系置換の為に転出し

運賃箱等の車内収受ワンマン機器の撤去やトイレの締切り等が

行われ2023年より再度活躍しています。

地方部から首都圏へ移動した稀有な例です。

(二枚目)

相方ET126-8です。元はクモハE127形+クハE126形の2両で

編成を組んでいました。JR時代はV9編成で車番末尾は9となって

おり、1995年川崎重工製です。妻面のビードが並んだスタイルに

川重製を感じます。

こちらの車端部にはトイレが設置されています。100番台では大型

化によりドア間に移っています。

 

トキ鉄ではスカートの強化が行われ、更に2016年からJR所属車に

行われた機器更新を2018年から行っています。

運行区間はトキ鉄の直流電化区間、「妙高はねうまライン」(旧

信越本線)の直江津駅~妙高高原駅間で使われている他、一部は

信越本線で長岡駅まで乗り入れています。ワンマンの2両編成を

中心に最大6両まで連結されます。

(三枚目)

塗色は元は115系の2次新潟塗色と同じ緑の濃淡の帯でしたが

(通称キムワイプカラー)、トキ鉄では後に妙高山の山並みを

デザインした緑単色に変更されています。

尚この編成には銚子電鉄と姉妹鉄道締結のステッカーが貼られて

いました。そう言えばあちらにも最近緑色(南海ズームカー

旧塗色)になった元南海の2200系が入りました。

(四枚目)

直江津駅構内には直江津運輸区が有り、トキ鉄の車両は

当基地の所属です。広い構内にはET127系やET122系気動車が

休んでいました。写真はV5編成です。

(五枚目)

・直江津駅まで直通する、北越急行のHK100系の「ゆめぞら」

並んだET127系です。

この直江津駅にはJR東日本・北越急行・えちごトキめき鉄道の

3社の旅客列車が乗り入れ、直流電車・交直流電車・気動車と

様々で仕様もバラエティが富んでいます。更にJR貨物の貨物

列車も多く走る面白い場所です。

(六枚目)

ET127系は広告ラッピングされた編成も在籍しています。

手前の編成は田辺工業株式会社のラッピングとなっており、

恐らくV3編成です。JR時代のV4編成で1995年川重製です。

(七枚目)

ここからは翌日立ち寄った「妙高はねうまライン」の高田

駅で撮影したV5編成です。日本曹達のラッピング編成でした。

この列車はワンマン妙高高原行きでした。JR時代は新潟近郊

での運用が中心で、この付近には余り縁が無かった様です。

(八枚目)

古レールを使ったと思しき上屋の向こうに見える、ET127

-5です。JR時代はV6編成で、E127系0番台は川重と東急製が

いましたが、東急製は2本だけでそちらは南武線用となりトキ

鉄には川重製が集まっています。

車体はビードレスの軽量ステンレス車体で窓サッシは黒枠、

ドア間4連窓の内中央の2枚のみ1段下降窓で他は固定窓です。

車体はストレート車体となっており、701系やE501系の様に

JR東が一時期導入した近郊形と通勤型の中間のスタイルです。

クーラーは集中式で、Mc車の運転台上部には発電ブレーキ用

抵抗器を設置しています。これは閑散線区での回生ブレーキ

失効対策で発電ブレーキを備える為です。

(九枚目)

パンタグラフは下枠交差式となっています。100番台では

シングルアーム式になりました。

ドアは押しボタン式の半自動ドアで、ワンマン運転時の表示器も

設置しています。

(十枚目)

台車はボルスタレス式空気バネ台車で、写真は動台車のDT

61Aです。209系ベースで低床化の為中央部が凹んでいます。

足回りはTD平行カルダン駆動でモーター出力は120kw、最高

速度は110km/hです。ブレーキは回生・発電ブレーキ併用

電気指令式空気ブレーキで抑速ブレーキも備えます。

制御装置は当初GTO素子を採用していましたが、現在は機器

更新でJR車と共にE129系ベースのIGBT素子の物に交換され、

補助電源も交換されています。

マスコンはワンハンドル式です。

(十一枚目)

トキ鉄移籍後も転落防止幌は設置されていません。

混雑状況が酷くないのでしょうが、この世代の車両で設置されて

いない例も珍しく感じます。

(十二枚目)

相方ET126-5です。こちらは貫通幌が設置されていません。

運転台は半室構造の為、写真の様に子供が前面展望しています。

後方にはお城を模した高田駅の駅舎が見えます。

(十三枚目)

制御車の台車はTR246Aとなっています。この車には補助

電源のSIVやCP等を搭載しています。1M1T方式で短編成で

効率的な電動車比率となっています。

 

次回に続きます。

 

参考文献  JR全車輛ハンドブック 2004

 

参考HP   ウイキペディア 関連ページ