撮影日 2022.5.27
撮影場所 えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン 糸魚川駅
前回に続き、一昨年の北陸旅行の記事です。
今回は2日目の主な目的の一つ、えちごトキめき鉄道(トキ鉄)の
観光急行への乗車です。
これは旧北陸本線区間に土休日に運行されている観光列車で、
使用車両はえち鉄唯一の国鉄型交直流電車の413系・455系が
使用されているのが特徴です。
今では唯一となった国鉄急行形電車を味わえる列車と合って大変
期待しての乗車でした。
(一枚目)
・広い構内を持ちつつも静かな糸魚川駅のホームに、旧国鉄
交直流急行形電車塗色の3両編成がやって来ました。
「観光急行」市振行きで、「アルペン」のHM付でした。
この列車は臨時電車急行で大阪駅~富山駅間に設定されていた
時期が有るので、その時のHMでしょう。
尚それ以前に大阪駅~直江津駅~長野駅~名古屋駅~大阪駅間
という壮大なルートの臨時急行の名前にもなっていましたが、
そちらは客車急行だったのでこの電車用HMでは無かった筈です。
(二枚目)
・急行とは言いつつ3両という、電車急行最短編成なのが残念
ですが今でも残っているのが奇跡です。
W01編成を名乗っており、直江津駅方からクモハ413-6+モハ
412-6+クハ455-701です。
413系については以前この記事で紹介しています(2020.1.28)。
あいの風とやま鉄道 413系 | 303-101のブログ (ameblo.jp)
いずれも最後までJR西日本所属で、七尾線用の赤色一色だった
車両で、電動車ユニットはB-06編成、クハはB-04編成でした。
七尾線の413・455系は415系800番台と共に521系100番台に
置換えられ2021年3月に撤退しましたが、それにより引退した
車両をトキ鉄が購入したものです。
トキ鉄ではB-06編成全車とクハ455-701を購入し、B-06編成
のクハ412-6は差し替えられ直江津にて保存されています。
前面窓は黒Hゴム支持で、行先表示器は北陸トンネル通過時の
つらら対策で準備工事のみで塞がれたままです。
幌付きの「東海形」マスクも貴重になりました。
(三枚目)
・クモハ413-6の側面です。
元はクモハ471-6で、60Hz用交直流急行形電車の元祖・471系の
制御電動車として製造されました。
その後民営化直前の1987年2月に松任工場にて413系に改造されて
おり、国鉄新性能電車の最初の標準機種・MT46モーター(100kw)は
後継機種のMT54(120kw)に交換されていますが、抑速ブレーキは
装備されませんでした。
(四枚目)
・同車のクーラーです。
種車のAU13Eクーラーを流用しています。これは国鉄の優等型
車両で多く見られた分散型クーラーですが、今では電車では他に
上信電鉄(元JR東日本107系)700系くらいしか見られません。
阪神電鉄でも同型クーラーを標準採用していましたが、今では
8000系の初期型や間もなく引退の5001系だけです。
尚写真に見切れていますが413系は側面行先表示器付きですが、
他にサボを使用しています。
号車札も活用しており3号車です。
(五枚目)
・413系改造に際し、通勤通学輸送に体操する為両開きドアに
改造されており、有効長は1300㎜です。但し半自動ドアの為
写真の様に引き残しが有ります。押しボタンは有りません。
現在ステップは埋められています。
(六枚目)
・中間車モハ412-6側面です。
種車はクモハ417-6とユニットを組んでいた中間電動車モハ
470-6です。
413系改造に際し、車体は新製され仙台地区に導入された417系と
同様に両開き2ドアでステップ付きのセミクロスシートとなりました。
側窓は2段窓となっていますが、同じレイアウトの417系・713系・
717系共々同じドア配置の117系や115系3000番台、キハ47形とは
窓配置が異なります。
国鉄末期の製造ですがHゴムを多用したスタイルです。
(七枚目)
・413系改造時にクモハ・クハの1-4位側車端部に簡易雪切室が
設置されました。115系1000番台でも見られるものです。
その為この部分の窓サイズは変則的です。
電動車ユニットには転落防止幌が設置されています。
(八枚目)
・中間電動車にはパンタグラフが設置されており、菱枠式です。
脇にはランボードも設置されています。
尚JR西日本では北陸地方の交直流型電車(419系除く)にも
通風器撤去を行った為、本編成も撤去済みです。
(九枚目)
・モハ412形のクーラーは編成唯一の集中式クーラーAU72で、
大きく形態が異なっています。
国鉄近郊形電車標準のAU75クーラーに似ていますが、主に
パンタ付きの優等車両用に採用されたものです。
こちらは413系以外に現役の車両はいるのでしょうか?
(十枚目)
・サボは「アルペン 市振・糸魚川⇔直江津 快速とがくし
妙高高原⇔直江津」となっていました。
これは妙高はねうまライン区間でも臨時快速として使われる為、
両区間の列車を併記している様です。
分かり辛い気もしますが、国鉄いやJRになっても複数の運用や
行先をまとめたサボが使われていたのを見た事有ります。
(十一枚目)
・モハ412-6の製造銘板です。
下から「川崎車輌 昭和37年」「日本国有鉄道」「日本国有
鉄道 松任工場 昭和62年改造」です。
改造車扱いの為種車の製造銘板が残っており、種車から起算すると
還暦を越し、車体更新からも35年が経過していました。
国鉄の名前が2枚も残っている他、製造メーカーも近年再び同じ
社名になりました(会社自体は全く同一の法人ではない様です)。
(十二枚目)
・最後に、先んじてクハ455-701の標記を紹介します。
上から「形式 クハ455 自重 37.1t 換算 積 4.5
空 3.5」となっています。
こちらは転落防止幌未設置です。
次回はクハ455の紹介です。
参考HP ウイキペディア 関連ページ