撮影日   2024.1.21

撮影場所  熊本市交通局 上熊本車庫(1枚目は辛島町電停)

 

先月訪問した熊本で撮影した、熊本市電の希少車たちの姿です。

 

(一枚目)

市電で現存唯一の前後ドア車、8800形8802号がB系統 

上熊本沖の運用に入っていました。

他形式とドア配置が大きく異なっていて使いづらそうですが、

前中ドアに改造される事も無く使われています。

近年機器の長寿命化を行った様ですが、制御装置の交換は

行っていない様でGTO-VVVF制御のままと思われます。

クーラーも更新されていますが、新型Zパンタのままです。

塗色は専用の物で、友好都市の「桂林号」の愛称付きです。

尚以前この記事で紹介済みです(2022.4.12)。

熊本市交通局 8800型 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

(二枚目)

その後に訪れた上熊本車庫です。

最古参の1060形1063号に次いで古い、1080形1085号が

休んでいました。臨時系統のサボを掲出しています。

1080形は1060形と共に、市電の旧型車の中でも2段窓(アルミ

サッシに交換済み)・ウインドシルヘッダー付き・板バネの

旧型台車を装備しており、一層古めかしく見えます。

現在は1081号と2両だけの在籍です。

 

以前この記事で紹介していますが(2021.4.23)、最後に撮影した

4年前と異なってラッピングが解除されオリジナル色に戻って

います。

熊本市交通局 1085号車 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

尚この日は最古参の1063号は日曜の昼間ながら運用中でした。

5000形は上熊本で休んでおり、休車中の9700形2本の姿も

見えました。

(三枚目)

台車は住友H-2274です。

かつての路面電車の標準仕様と言える、枕バネは

レール方向に配した重ね板バネとコイルバネを併用し、軸箱は

軸バネで支持したスタイルで軸受けは貴重な平軸受けです。

台車枠に肉抜きなのか孔が開いています。

 

熊本市電は今後新車導入の予定が有り、1060~1090形辺りは

置換が予定されている様で今後の動向に注目です。

(四枚目)

・隣にいる8801号と共に上熊本車庫で休む8201号「しらかわ」

です。以前こちらで紹介しています(2022.4.5)。

熊本市交通局 8800型 | 303-101のブログ (ameblo.jp)

 

日本初のVVVF制御車として製造された形式で、熊本市電初の

軽快電車でした。技術史的に大変貴重な存在です。

但し近年少し前に機器更新が行われIGBT-VVVF制御となりましたが、

次の8500形の様なフルカラーLED化やロングシート化は施工

されておらず、クーラーやパンタグラフも未交換です。

(五枚目)

8200形で気になるのが特徴的な形状の台車です。

内側軸箱支持方式の独特なスタイルで、枕バネはコイルバネで

すが床が高く見えてしまいます。モーターは車両全体で1基しか

装備しない為、1両で動台車と付随台車に分かれていて、これは

付随台車のNS-19で動台車と違い砂箱が有りません。

8200形は制御装置の更新は行われましたが、特殊な車両の為

先行きが心配です。

 

以上です。

 

参考文献   鉄道ピクトリアル No.688 2000.7

                    【特集】路面電車~LRT