撮影日   2024.1.8(4~8枚目は2024.1.3)

撮影場所  JR九州鹿児島本線 笹原駅及び車内

 

JR九州の多数派、813系の内最初に導入された0番台の編成です。

気が付けば今年で30年目、代替で置換えた421・423系とほぼ

変わらない齢になりました。

 

(一枚目)

・普通 南福岡行き(前6両は鳥栖行き)RM002編成です。

編成番号は813系を表わすR編成+南福岡所属車Mの組合せです。

赤と黒で縁取られた前面と驚きの内装、そしてラッシュ時でも

2両で鹿児島本線博多口を走った(421系等4連の置換の為)ので

混雑が酷かった当初の思い出は忘れられません。

 

813系は1994年にJR九州初のVVVF制御車として製造されました。

811系に次いで軽量ステンレス車体とボルスタレス台車を採用し、

電気指令式ブレーキを搭載して811系と併結も可能としましたが、

回生ブレーキは搭載していません(1000番台から搭載)。

デザインは水戸岡鋭治氏が担当し、近郊形電車らしからぬ斬新な

デザインとなりました。

 

0番台は1994年に1次車として9本が製造されました。

このRM002編成は近畿車輛製です。

RM008編成は事故廃車されましたが、それ以外の編成は全車現役で、

座席削減やワンマン改造は行われておらず後述の中間車増結以外

813系の中でも動きが少ないグループです。

もっとも本番台もロングシート改造対象の為、間もなく大きな

変化を迎えると思われます。改番も実施かと思われ、2000番台と

なるかも知れません。

(二枚目)

門司港方先頭車クハ813-002の側面です。

ドアは赤く塗られてステンレス無塗装の車体にアクセントを

与えています。

813系の初期型は制御車にパンタグラフを設置しており、サハを

跨いで電動車に給電しています。下枠交差式で交流電車の為

周囲は碍子で物々しいです。

 

0番台は811系ベースの軽量ステンレス車体で窓割も同じですが、

窓上と腰部のみビードが付いていた811系と違い、側面全体に

ビードが付いた為非常に賑やかな側面です。

トイレは採光窓が設置されています。200番台からはビードが

811系同様少なくなり、トイレの窓も廃止された為0・100番台

だけの特徴です。

車外スピーカーは後年の設置で、手前のドア右脇上部に設置されて

号車札受けは現在撤去されています。

(三枚目)

0番台と100番台の一部は当初2連でしたが、輸送力不足から

後年全車サハを組込み3両となりました。

0番台には10次車として400番台が組み込まれており、サハ813形

400番台となっておりこの番台はサハだけの存在です。

この車はサハ813-402で、408は導入時にはRM008編成廃車後の為

製造されませんでした。全車2003年近畿車輛製です。

本番台の製造により813系は全て3両となりました。

 

同時期製造の9次車300番台と同じ車体で、窓周りのビードは廃止・

側窓は熱線吸収ガラスとなってカーテン廃止・車外スピーカー設置・

転落防止幌設置が行われました。行先表示器は幕式のままです。

転落防止幌は当初サハだけついていて両端の車には無い状態が

続いていましたが、現在は全車設置されています。813系の転落

防止幌設置も完了した様です。

この車両もいずれサハ813形2400番台になるのかも知れません。

(四枚目)

こちらは別日に撮影した車内です。RM007編成での撮影で

この車はクハ813-7です。

見た目も同様ですが内装も初見で大変驚いたものです。

 

座席は811系と同じくオール転換クロスシートですが、モケットは

赤色のヒョウ柄で大変派手になりました。一方グレーのヒョウ柄の

床にライトグレーの無地の床と内装は寒色系で、ギャップに大変

驚きました。この頃のJR九州の車両はキハ200やキハ125でも

この様な内装が取り入れられていました。

座席は811系100番台ではドア脇座席が固定化されましたが、再び

全座席転換可能に戻っています。100番台以降は再度固定化され

定員が増えました。

ドア脇の仕切り上部のウッドデッキがお洒落です。

照明はカバー付きですが、200番台以降廃止されました。

天井のラインデリアは後年の増設だったかと。

(五枚目)

クハ813形にはトイレが設置されていますが、まだ和式の

狭いタイプです。貫通扉とトイレの扉は青く塗られていて

アクセントになっています。青い貫通扉は415系の更新車でも

取り入れられましたが、本形式では大型窓になっています。

ドア向かいの座席は4人掛けBOX式で、813系の車端部は全て

この仕様で今後も813系で唯一残るクロスシートです。

 

尚813系の車椅子スペース設置は100番台増結用のサハ813-

500番台(2001年製)が最初で、同時期のJR他社が新造していた

近郊形電車に比べても遅い印象です。

2200番台のオールロング化で車椅子スペース設置が見送られた

為、この車も設置されずにロングシート改造されそうです。

(六枚目)

中間のサハ811-407車内です。

サハは大幅に内装が変わっており、300番台準拠となっていて

ドア脇の座席は固定化・仕切りデザインの簡素化が図られて

います。座席自体はヘッドレスト付きの同タイプですが、

モケットは茶色市松模様になりました。

床も白系のドット模様で壁も白系の明るい仕様となり、大変

明るくなりました。以後の車両も同様の車内です。

照明カバーは無く、ラインデリア付きでの製造です。

 

813系の車内ではこれが完成形だと個人的に思っており、

個人的に好きな車内ですが間もなく見られなくなりそうです。

先行して登場した編成の内装からすると、先頭車は赤系・

中間車は茶系モケットのロングシートになるかも知れません。

813系の泣き所、座席と窓割が合わない点は解消されますが。

(七枚目)

妻面の壁は変わらずグレー系で貫通扉は青色です。こちらも

車端部はBOXシートです。

サハ811形400番台は同じく増結用の500番台と一緒で車椅子

スペースが設置されています。

ヒーターや非常通話装置は有りません。

JR九州では先頭車に車椅子スペースを設置する例が多く、中間車

設置はこの2種類だけです。もっとも415系オールロングシート

改造車の様に先頭車の運転台後部設置の例も有りバラバラです。

(八枚目)

813系ではJR九州の近郊形では初のLED式車内案内装置がされ、

ドア上に設置されました。しかし小さく停車駅表示くらいしか

表示できない上、何故か日本海側のドア上しか設置されないという

不思議な設定です。その為か余り存在感を感じません。

ドアは内側も赤く塗られています。

この400番台では300番台と同様、ドア付近の吊手がサークル状です。

 

 

気が付けば製造から30年目の813系0番台、200番台以降が座席撤去・

ワンマン化されるのを尻目に比較的原形を保っていましたが、遂に

ロングシート改造で大きな変化を迎えそうです。

そろそろ足回りを含めた大規模更新の時期かと思いますが、811系が

まだ終わっていないので今のところ気配は無さそうです。

0・100番台はこのまま未更新で引退しそうな気もしますが、数が

減りつつあるGTOの音を今後も聞けそうです。

 

以上です。