撮影日 2020.1.12
撮影場所 伊都営業所行き車内(1枚目は前原発着所)
今回は4年前に乗車した昭和バスの狭隘路線の一つ、野北線の
乗車記を紹介します。
この路線は前原(発着所)~前原駅北口~加布羅~師吉公民館~
初~野北~伊都営業所間で運行されており、現在は糸島市
コミュニティバス扱いとなっていて運賃も200円均一です。
元は前原~加布羅~夫婦橋~初~野北~谷~元岡~今宿~
博多駅・今宿野外活動センター間の野北線と、前原~前原駅
~加布羅~師吉公民館~志摩町役場(循環)の師吉線と分かれて
いました。
しかし路線再編で、野北線と同じルートで初から牡蠣小屋で
有名な船越へ行く船越線と共に師吉線と統合され、野北線
及び船越線は師吉公民館経由のルートとなっています。
旧師吉線区間は旧・志摩町の住宅街を通りますが、この
区間は大変狭い路線です。昭和バスでは狭隘路線は珍しく
無く、大型貸切転用車を突っ込んでいた例も有りましたが、
ここは流石に駄目だった様で師吉線は小型車限定運用となって
おり、現在も野北・船越線は小型車限定です。
野北線は統合後、福岡市との境に近い谷バス停終点となり、
その先は廃止されましたが、伊都営業所開設で乗り入れる
事となりました。又九州大学線が伊都営業所に乗り入れを
開始した為、分断されて大きく運行形態は変わりましたが
かつての廃止区間が復活した事になります。
実際に走ると住宅街を迷い込みそうになる姿が面白い当路線の
姿をご覧下さい。
(一枚目)
・師吉・初・野北経由伊都営業所行きは5816号車です。
始発の前原発着所にやって来ました。ここは前原地区の中心で、
かつてはもっと大きく古びた待合所が有りましたが、今は簡素な
上屋が有るだけとなり無人になりました。
この車は1997年式の日野レインボーRH系(レインボー7M)です。
小型車ですが同時期製造のリエッセより大きめで、昭和バスでは
中型と小型との中間の車として扱っていた様です。
前原地区で1995年と97年にまとまって導入され、一時期の
一大勢力を築いていました。
(二枚目)
・車内です。グレー系の内装で横引きカーテンを設置し、運賃
表示器はデジタル式です。
小型車ながら収容力は大きく、運転士側は2人掛け・ドア側は
1人掛けで中ドア後部は一部2人掛けのハイバックシートです。
ドア側は吊手も設置されています。
レインボーRH系の前中ドア仕様の路線車は他にも奈良交通で
大量導入された例が有りますが、全国的にも少数派です。
(三枚目)
・中ドアが後よりに設置されている為、中ドア後方の区画は
狭くなっています。
モケットはワインレッド系でレザーカバー付きで、これは
1995年頃から一時期採用された仕様で床もピンク系です。
(四枚目)
・前原から志摩町方面へは、前原発着所を発車してすぐ西町
交差点で右折し県道54号線を走るのが最短経路です。
実際「いと・しま号」の伊都営業所行きもその経路ですが、
野北線・船越線は左折し一度前原駅北口バス停に立ち寄る
ルートを取ります。
写真はJR筑肥線の筑前前原駅で、この先写真のロータリー内に
入ります。
尚野北・船越線の前原方面の便は前原駅北口終点となります。
因みに師吉線と野北・船越線統合前は野北・船越線は前原発は
前原駅を経由せず、到着便は前原駅前終点でした。ロータリー
内に入らず少し手前の、現在丸太池公園前バス停となっている
場所が終点でした。
一方師吉線は小型車だった為か前原発は前原駅ロータリーを
経由し、到着便もロータリー内が終点でした。
(五枚目)
・前原駅に立ち寄った後、県道54号線を加布羅(がぶら)という
変わったバス停まで走ります。ここは「いと・しま号」も
経由しています。そこから県道506号線沿いに走るのが志摩町
方面への最短ルート(現在はバイパスが出来ておりバス路線は
旧道となっている)で統合前の野北線・船越線もそちらを
経由していました。
一方現在の師吉経由では県道54号を直進します。そのルートは
僅かな本数だけの道目木(どうめぎ)経由芥屋線のルートですが、
すぐに狭い市道に右折します。そこからが狭隘区間の始まりです。
写真は大石前バス停で、右折先を当然!走ります。
(六枚目)
・この辺りは住宅地が並んでおり、少なくとも30年以上は
経っています。場所柄福岡市のベッドタウンですが、鉄道と
離れており最寄りは前原駅となります。
今は「いと・しま号」も近くを走っていますが、住宅地を
走る為前原地区の路線廃止から生き残ったのだと思います。
写真は大石前の次、大浦台バス停を過ぎた辺りです。
当然!ここも右折します。
(七枚目)
・上写真を曲がった所にある大浦池通りバス停です。
この辺りが一番狭いのではないかと思います。
師吉線のルートは「いと・しま号」が走る県道の西側を並走
するルートですが、ぐねぐね曲った道路で1車線ギリギリの
区間が多いです。
この大浦池通り付近は少し西側に迂回しており、しかも
坂道になっています。狭いだけでなくアップダウンも
有るのがこの区間の特徴で、西鉄バスの住宅地の狭隘路線の
代表格・星ヶ丘線を思い出します。
(八枚目)
・大浦池通りバス停を過ぎ、坂を下って元の道に戻り堤下
バス停を過ぎた辺りです。
この辺りは田畑も見られます。
バスと窓外に見える畑の間に余地が有りませんが、無論
一方通行では有りません。対向車が来たら苦労します。
実際に自転車で走った事も有りますが、バスが走るとは
思えない道路です。
(九枚目)
・上写真の道路を真っ直ぐ行けば師吉公民館に至りますが、
また迂回します。
写真右手に見えるのは堤下の次、大牟田バス停です。
七山村にある博多バス停と並んで場違いな?名前ですが、
左手にかすかに見える鋭角の交差点を右折する事になります。
反対方向だとかなり厳しい交差点です。
(十枚目)
・大牟田バス停を過ぎてすぐ左折し、志摩スカイタウンの
住宅街に入ります。この辺りは郊外の新興住宅街(といっても
30年は経っている)の趣ですが、昔からバスはこの路線が
乗り入れているだけでした。少し歩けば「いと・しま号」に
乗る事も出来ますが。
写真は志摩スカイタウンバス停で、住宅街の中は道幅が
広くなっています。ここは両サイドにバス停が有りますが、
師吉線の他のバス停は大牟田や大浦池通りの様に片側だけの
バス停が多いです。
昭和バスでは片側だけのバス停は良く有りますが。
(十一枚目)
・志摩スカイタウンの住宅地を少し走った後、左折し元の
師吉方面の道に戻ります。この区間は狭い上に本当に分かり
にくいルートで、自転車でも迷いました。
星ヶ丘線の様にバスのルートに標識が出ている訳では無く、
よくも迷わないものだと思います。
写真正面が師吉方面の道路で、右折します。
(十二枚目)
・右折した先の写真です。
この区間は多少広くなり余裕が感じられますが、2車線有るか
ないかの道路です。もっとも今までの区間を走るとかなり
広く感じますが。
志摩スカイタウンから師吉東・師吉中と経由して行きます。
(十三枚目)
・師吉(もろよし)公民館の建物です。
この区間の中心と言える師吉公民館バス停が有ります。
ここは糸島富士と呼ばれる可也山の登山口ともなっています。
この先、師吉荘バス停を通過し志摩町中心に至りますが、
道幅は同じ程度で進んで行きます。
(十四枚目)
・旧・志摩町中心の初(はつ)バス停です。
住宅や商店が並び、写真右側に旧志摩町の庁舎が有ります。
かつては「いと・しま号」もここを経由し一時期はここが
始発着でしたが、現在は一本東側の県道85号上の志摩中央
公園バス停を経由する様になりました。
次回に続きます。