撮影日   2021.8.2

撮影場所  広島バスセンター(3・4・7・8枚目は広島駅バスセンター)

 

前回の緑色の広電バスに続き、今回はオレンジの広島交通の路線車を

紹介します。

ここは長く日デ車と三菱車が主体で、ツーステ時代は路線車は殆どが西工

ボディで一部に富士ボディ車が混ざる程度でした。近年は純正ボディと

なり、いすゞ車も導入されています。

ツーステ時代はエアサス・黒サッシメトロ窓・特大方向幕・標準床という

大変濃い仕様で、着席重視仕様のハイバックシートを備え、且つ1994年

までサブエンジン式冷房というかなり独特な仕様でした。又長尺車が多数

導入(狭隘路線は短尺車が投入されていた)いました。

また中小型路線車は殆ど存在せず、広島市内には出てきません。

モノコック車は早く引退したものの古参車が多く残っていましたが、近年

移籍車が多数入り新車も増えた為、古い車はいないと思っていましたが…。

 

(一枚目)

・もういないと思っていた西工58MCが普通に走っていました!

新道・(広島バス)センター経由広島駅行き721-61号車です。

 

1996年式の日産ディーゼル車で、KC規制車です。西工58MC B-Ⅱボディで

11m級の長尺大型ツーステップ車です。

前中4枚折戸で黒サッシメトロ窓、方向幕は窓一杯を使った特大サイズです。

緑色の色幕なのも注目です。

路線車の標準色です。

 

この1996年式は当車を含め同型の日デ車6台と、同じく58MCの三菱車

2台が導入されました。1995年式に続き、4枚折戸に直結式冷房が採用

されたグループで、1983年から続いた58MCの最終導入年度です。

(二枚目)

・後部です。バックアイカメラ付きで後面窓は3枚窓、ブレーキランプは

角型3連と如何にも角ばった西工ボディらしさを感じます。

広島バスセンターを広島センターと略すのも個人的にはぐっときます。

昔は確かに広島センターと呼ばれていた気がします。

 

西工58MCボディは広島県内では他に広電・呉市営・鞆鉄道(移籍車)・

中国バス(希少な日野P-RJ系中型車も在籍)で導入されましたが、最後に

残ったのは広島交通と思われます。1983年から96年迄の間は、89年から

95年式まで富士7Eが並行導入された以外は58MCでした。既にオリジナルの

7Eは引退した様ですが。

残念ながらこの車両は2022年に引退した様です。

 

・車番 721-61 ナンバー 広島22く41-75 年式 1996 

 所属 勝木 形式 日産ディーゼルKC-UA460NAN  大型長尺ツーステップ車

 西工58MC B-Ⅱボディ 前中4枚折戸 黒サッシメトロ窓 幕式方向幕 

 側面特大サイズ 路線色

 除籍済み

(三枚目)

・58MCはもう一台見かけました、全国的に既に殆ど見かけなくなり、

本州では絶滅寸前です。まだ岡電バスにはそこそこいる様ですが。

こちらは新道・可部経由大林車庫行き726-62号車です。

 

上の721-61と同型で同形式ですが、直結クーラーユニットのサイズが

異なります。実はこちらはゼクセル製、721-61はデンソー製だそうです。

同期の三菱車も使い分けており、中々の曲者です。

車内は赤いモケットに白いカバー付きのハイバックシートが並び、中ドア

前の優先席は黄色なのが見えます。

(四枚目)

・広電ブルーリボンハイノンの方が目立ちますが、後部です。

広島市内はメトロ窓を複数の事業者が採用していましたが、広交はこの

1996年式が最後でした。

後に写るのはスペースランナーRA系のワンステです。同じ西工ボディ

ながら96MCで、前中引戸です。初期のワンステはT字窓でしたが、

末期の車両はこの様に逆T字窓と一般的なスタイルになりました。

こちらはまだ現役な様ですが、広交に残る58MCも残り僅かな様です。

 

・車番 726-62 ナンバー 広島22く41-81 年式 1996 

 所属 大林 形式 日産ディーゼルKC-UA460NAN  

 大型長尺ツーステップ車 西工58MC B-Ⅱボディ 前中4枚折戸 

 黒サッシメトロ窓 幕式方向幕 側面特大サイズ 路線色

(五枚目)

・続いて96MCです。1998年からB-Ⅱのまま96MCとなりました。

気が付けば20年を越しましたが手入れが良い738-83号車です。

 

1998年式の三菱車で、KC規制の大型ツーステップ車です。

この車両は10m級の短尺車で、緑井営業所では狭隘路線対応で

短尺車が多数導入されていました。この年式から三菱車は標準床が

設定されなくなったのか一般低床です。前バンパー下部が切られて

います。

 

96MCツーステでは前中4枚折戸は変わらず、T字窓となり見栄えが

大変向上しました。T字窓を一般路線車で多数導入したのは昭和バス・

一時期の西鉄バス及び名鉄グループの一部程度でしょう。

デンソー製クーラーで、特大方向幕でしたがLED改造されました。

(六枚目)

・後部です。バックアイカメラ付きで、後面3枚窓と角型3連ブレーキ

ランプは変わらず。短尺なので前中ドア間は寸詰まりです。

やはりハイバックシートが並びます。

 

三菱+96MCのツーステは1996年と2000年のみですが、2000年式は

標準尺車の為短尺車は1996年式2台のみです。

同年式の西工車は長尺で標準床です。

 

・車番 738-83 ナンバー 広島200か32 年式 1998 

 所属 緑井 形式 三菱KC-MP717K  大型短尺ツーステップ車 

 西工96MC B-Ⅱボディ 前中4枚折戸 黒サッシT字窓 

 LED改造車 路線色

(七枚目)

96MCでも幕式のままの車両が残っていました。

新道・可部・虹山団地経由勝木台行き750-01号車です。

 

こちらは2000年式のKC規制の日産ディーゼル車で、長尺ツーステ

となっています。クーラーはデンソー製の様です。

上の738-83号車と違って前バンパー下部は切り取られておらず、

相変わらず標準床です。

(八枚目)

・側面です。

長尺の為前中ドア間の窓サイズが大きいです。

側面方向幕は大きく、大変見やすいです。上部に行先・下部に経由地を

横書きしています。方向幕周りが白塗りで、窓がブロンズガラスなのも

広交の独自仕様です。

ドアは96MCでは黒塗りになりました。

 

・車番 750-01 ナンバー 広島200か191 年式 2000

 所属 大林 形式 日産ディーゼルKC-UA460NAN  

 大型長尺ツーステップ車 西工96MC B-Ⅱボディ 前中4枚折戸 

 黒サッシメトロ窓 幕式方向幕 側面特大サイズ 路線色

(九枚目)

・側面だけですが。

こちらは連番の751-01号車で、LED改造されています。

LED改造後も側面は窓サイズ一杯に使っています。

やはり車内はハイバックシートが並びます。

2000年式のKC規制日デ車は10台導入され、1台だけ短尺で9台は

長尺です。本車両もデンソー製クーラーですが、ゼクセル製も

導入されました。

ツーステ車最後の2000年式は他にKL規制車も導入されており、

この時期のツーステ一般路線車は希少です。特に日デ車は最後まで

標準床で、大変珍しい事例です。

 

・車番 751-01 ナンバー 広島200か192 年式 2000

 所属 勝木 形式 日産ディーゼルKC-UA460NAN  

 大型長尺ツーステップ車 西工96MC B-Ⅱボディ 前中4枚折戸 

 黒サッシメトロ窓 LED改造車 路線色

(十枚目)

最後に、車両は忘れましたが96MCツーステップ車の中ドアです。

御覧の様にツーステで、段差が大きく標準床なのが分かります。

昔の西鉄バスの様にドア中間にも手すりとカードリーダーが

有ります。

ドア脇に車椅子について、「折りたたんで乗車してください」と

貼られていますが、この車両では大変そうです。

車内は座席部段上げで、2人掛けハイバックシートは赤くカバーが

掛かっています。移籍車でもこの座席に換装されてる様です。

今時2ドアで標準床車がこんなに走っている会社は殆どいないのでは?

 

次回は移籍車編です。

 

参考文献   バスラマインターナショナル82 2004

 

参考HP    TokudenIM