撮影日   2021.12.1

撮影場所 JR東日本常磐線 水戸駅

 

昨年偶然撮影出来たE653系国鉄色編成です。

 

E653系は常磐線特急「ひたち」の485系置換の為1997年から2005年にかけ7連

×8本、4連×4本が製造された3電源対応の交直流型特急電車です。

前面は非貫通の流線型仕様で、全車普通車モノクラスで落成しました。車内は

2-2列回転リクライニングシートです。

車体はアルミ製で、塗色は5パターン存在し編成によって分けられていました。

足回りはIGBT-VVVF制御でブレーキは電気指令式で回生ブレーキ及び抑速

ブレーキ付き、モーター出力は145kwで台車はボルスタレス式と最新鋭の物が

採用されていました。

 

「ひたち」の速達系統は651系による「スーパーひたち」となっていましたが、本形式は

停車駅の多い「フレッシュひたち」として使われ485系を完全に置き換えました。

しかし2012年にはE657系導入により651系と共に置換が決まり、新潟地区へ全車

転入しました。

その際耐寒耐雪構造の強化や7連にグリーン車の設置などを行った1000番台

(4連は1100番台)に改造され、塗色もそれぞれ変更され7連は「いなほ」、4連は

「しらゆき」に使用され新潟で最後まで残っていた485系定期特急運用を置換ました。

 

しかし2018年に新潟車両センター所属のU108編成7連×1本が再度勝田車両センターへ

転属し、485系等の旧国鉄特急型電車風の塗色へ変更されK70編成として団体・臨時

列車に使われています。

 

(一枚目)

意外に似合っている国鉄特急型電車の塗色です。

前面の塗り分けは全く違いますが、何だか意外としっくりきます。

「フレッシュひたち」時代の塗色も今の塗色も良いですが、この塗色も好ましいです。

よくよく考えると現存唯一の旧国鉄特急型電車色(風)ですね。

(二枚目)

この編成は上野寄り1号車からクロE652-1008+モハE653-1016+モハE652-1016+

サハE653-1008+モハE653-1015+モハE652-1015+クハE653-1008です。

 

当編成はやや特殊で、新潟転入時に勝田時代4連のK354編成クハE652-104+

モハE653-20+モハE652-20+クハE653-20(2005年日立製)に7連のK308編成の

サハE653-8+モハE653-15+モハE652-15(1998年日立製)を組み込んだ編成です

(下線部)。

よってE653系の1000番台編成の車番は原番号+1000が基本ですが、当編成の

一部は例外となっています。もっとも組み替えても7連と4連の編成数は変わって

いないので、理由が良く分かりませんが。

 

写真左はクロE652-1008、右はモハE653-1016です。

クロは前述の様にグリーン車格上げ車で、JR東日本のノーマル?グリーン車では珍しく

2-1列リクライニングシートでシートピッチは1820㎜も有ります。よって全室グリーン車

なのに定員は18名という豪華版です。

 

ハE653形はシングルアームパンタ付きで、モハE652とユニットを組み定員は72名です。

行先表示器はLEDで、転落防止幌付きです。

(三枚目)

4号車サハE653-1008です。

この車両は写真右手側に乗務員室・車販準備室・トイレ及び洗面所を備え

車椅子対応の為ドアが広くなっています。定員は54名です。

(四枚目)

7号車クハE653-1008です。

CP付きで、トイレ・洗面所を装備し定員は56名です。

新潟地区転用後に電気連結器は撤去されました。

 

側面の塗り分けは大きな窓幅に合わせたのでオリジナルとはかなり違いますが、

運転台脇の切れ込みが入ったデザインはかなり元を意識している様です。

 

「ひたち」用485系は民営化後白とグレーの「ひたち」色になりましたが、国鉄色車も90年代

までは残っていたので(国鉄色復元車も存在した)それ以来の国鉄特急色でしょう。

勝田の485系は2013年迄は臨時用に専用色(イルカ色)になった編成が存在しており、

本編成はそれ以来の勝田区の波動用編成です。

 

「フレッシュひたち」時代とは全く違う色でグリーン車も組み込まれた本編成は、出戻りとは

言え昔とかなり違う姿になりましたが、今では貴重な3電源対応車として長く活躍しそうです。

 

以上です。

 

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