撮影日   2019.12.12

撮影場所 南海電気鉄道南海本線 新今宮駅

       (5~7枚目は各停なんば行き車内、8~10枚目は難波駅)

 

先月まで、一昨年訪れた京阪電鉄と和田岬線の記事を掲載しましたが今回から

その続きで南海電鉄を訪問した際の記事を掲載します。

訪問の目的は、

①引退が決まった6000系に乗車

②新たに投入された8300系高野線仕様車の撮影

③9000系リニューアル車の撮影

でした。

以前にも2回ほど乗車した事が有りますが、支線区等を中心に乗車出来ていない

区間が多かったので、可能な限り乗り潰しも兼ねての訪問でした。

例によって撮影枚数が多いので完結迄時間がかかりますが、気長に掲載して

行きます。

 

(一枚目)

・和田岬線乗車後、JRで兵庫駅から接続駅の新今宮駅に向かいました。

 

まずそこで、泉北高速鉄道所属の7000系7509×4連~を撮影。

この編成は後で撮影しているので、そこで解説します。

ラッピングされ、「フロンティア号」となっていました。

区急 和泉中央行きです。

(二枚目)

新今宮駅はターミナルの難波駅の2駅先ですが、この区間は南海本線と高野線が

別線扱いで複々線となっています。

難波駅~岸里玉手駅間は、高野線の普通列車は今宮戎駅と萩ノ茶屋駅に停車する

為、南海本線は「普通」に対し高野線は「各停(各駅停車)」を名乗っています。

 

南海本線の普通、なんば行きでやって来たのは南海本線の最古参ながら今でも

特急から普通まで主力として活躍する7100系です。

本形式についても別途紹介します。

(三枚目)

登場から20年以上経っても見慣れないスタイルの「ラピート」関西空港行と

並んだ、7100系です。既に南海の普通鋼製車体車は、特急車と支線区用を

除くと本形式(+天空2208系)だけです。

 

この列車はモハ7143+クハ7956+モハ7155+クハ7959の4連で、全車運転台

付きです。どちらも3次車で、7143編成は1971年製の初期更新車、7155編成は

1972年製でいずれも新製冷房車でした。

屋根上の整然とした分散クーラーと1枚下降窓、両開きドアのスタイルは同じ

前面ながら2段窓で片開ドアの今は無き7000系に比べ、落ち着いた印象です。

(四枚目)

・少し撮影した後、ターミナル難波駅まで向かいます。

乗車したのは各停 なんば行きで、額縁スタイルが特徴的な6200系50番台

6551編成×6連です。

 

6200系はオリジナルのグループ(形態が似通った初代8000系編入車含む)と、

8200系改造の50番台車グループが有ります。前者は別に撮影しているので、

今回は後者についての紹介です。

 

8200系は1982年から1985年にかけ6連3本が製造された、南海初の界磁チョッパ

制御車です。製造は全車東急車輛です。

1975年に試作された初代8000系に次いでのチョッパ制御ですが、本形式は電機子

チョッパ制御でなく界磁チョッパとなりました。車体は6200系以降のオールステンレス

車体で4ドアオールロングシートの通勤車ですが、前面が額縁スタイルとなりました。

モーターは160kw×4基、駆動方式はWN式平行カルダン駆動でブレーキ方式は

回生ブレーキ併用の電磁直通式(HSC-R)でした。

台車はダイレクトマウント式空気バネ台車のFS-392B(動台車)、FS-092(付随台車)です。

編成は難波方からクハ8700(奇数)+モハ8200(奇数)+モハ8200(偶数)+モハ8200(奇数)+

モハ8200(偶数)+クハ8700(偶数)で、電動車はユニット式で4M2Tとなっていました。

パンタグラフはモハ奇数車に各車2基搭載でした。

 

輸送力増強目的だった為、製造は3本で終了しました。最後の8705編成は南海本線向けに

アレンジされた9000系の仕様を一部取り入れています。高野線のチョッパ制御車は

8000系も含め4本だけでしたが、同系が2001年に抵抗制御化され6200系に編入されると

本形式だけになりました。

 

製造後の変化は無塗装だった車体がCIを取り入れてオレンジと青帯が入った程度でしたが、

2013年から実施の6200系4連車のVVVF化に引き続き、本形式も2015年からVVVF化が

開始されました。調達困難な部品の交換及び他形式(6000・6200・6300系)との併結可能化

が目的で、同時に内装更新も行われています。

制御装置は8000系(Ⅱ)と同じIGBT-VVVF化され、1C4M方式となっています。モーターも

6200系0番台VVVF車と同じ出力の200kw(TDK-6314-A)になりました。

形式も6200系50番台となり、1両の電装が解除されクハ6550+モハ6270(奇数)+サハ6850+

モハ6250+モハ6260+クハ6560となりました。

同時にモハ6270形のパンタ1基化、先頭車へのスカート設置及び電気連結器設置も

実施されました。

 

更新されて以後は6000番台各形式と併結され、併結出来なかった更新前と比べ活躍の

機会が広がっています。

(五枚目)

・更新によって車内は白系のものになりました。

外観は行先表示器が幕式のままなのでスカートが付いてパンタが1基減った

程度の違いですが、内装と走行音は大きく変化しています。

(六枚目)

乗車したクハ6561の銘板です。

元は1984年製の8703編成で、第2陣でした。

製造銘板は「東急車輛 昭和59年」、改造銘板は「南海車両工業 2013年更新」と、

「HITACHI 2013年改造」が付いています。日立製作所の銘板は制御装置が日立製の為です。

助士側にモニタ装置が有るのが見えます。

(七枚目)

・車内です。

白系の化粧板となり、大変明るくなりました。ドアにも化粧板が貼られています。

天井は平天井で、冷房の吹き出し口はスポットタイプで補助ファンでラインデリア付きです。

蛍光灯のままとなっています。

 

座席は非バケット式のロングシートで、モケットはグレーです。更新時に荷棚と袖仕切り

一体型となり、座席中間に仕切りポールが追加されましたが袖仕切り板は設置されて

いません。

ドア上にLED案内装置や戸閉予告チャイム、ランプも設置されています。

又写真手前に写っている様に各車に車椅子スペースが設置されました。

床も茶色系となり、ドア付近は黄色く塗られています。

(八枚目)

・本形式は運転台後部にも窓が有るのが特徴です。

更新後も座席が有るのが嬉しいですが、5枚目の様に運転士側の窓は

見にくいです。

(九枚目)

・あっという間に難波駅に到着しました。

側面は正直更新前と余り違いが無い様に見えます。

南海電車の既存車のLED化は1000系(Ⅱ)と9000系各形式のリニューアル車だけなので、

幕式表示器が今でも多く見られます。

転落防止幌は関西に多い段違いタイプです。

(十枚目)

・到着後、すぐに各停 千代田行きとなりました。

本形式は6200系譲りのシンプルな前面と違い、額縁が付いてアクセントとなりました。

これは次の9000系にも引き継がれています。

前述の様に更新でスカート設置と電気連結器設置が行われています。

一方、やや意外な気がしたのは前照灯のLED化が未施工な点です。

関西では阪急や阪神、京阪が積極的でこれらの会社では経年車でもLED前照灯化が

行われていますが、南海では7100系をLED前照灯化といった工事は行われていません。

 

 

ターミナルの難波駅で、早速目的の車両を見られる事に。

次回に続きます。

 

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