撮影日 2021.2.19
撮影場所 福岡市交通局空港線 姪浜駅
※感染症対策を行って撮影。
今回は先月デビューしたての2000系フルリニューアル車(2000N系)について紹介します。
福岡市交通局2000系は1992年から98年にかけ、6両編成6本が製造されました。
主力車種1000系の増備車という位置づけで、編成番号は18本が製造された1000系の
続番で19~24となっています。
特徴としては1000系のデザインを引き継ぎつつも新技術の導入やサービス向上を図った事で、
同市初のVVVFインバーター制御車且つオールステンレス車体、そしてボルスタレス台車を
採用しています。
前面は1000系に比べ丸みを帯びた優しいスタイルとなり、側面窓は大型の1枚窓となりました。
制御装置はGTO素子を採用したVVVFインバーター制御で、モーター出力は150KW、駆動
方式はWN方式でブレーキは回生ブレーキ併用の電気指令式となっています。補助電源は
SIVとなっています。
車内は1000系と同じ木目調の化粧板を採用しつつも明るいライトなデザインとなり、80年代の
バブルチックだった1000系に比べ90年代風となりました。当初から車椅子スペースが設置され、
ドア上には液晶式の案内装置が設置されています。座席も緑系のバケットシートとなりました。
1000系と同じく当初から地下鉄線内ワンマン運転設備及びATO装置を搭載しています。
マスコンはワンハンドル式です。
1994年製の22編成から行先表示器がLEDとなり、側面の青帯が1本増えました。最終増備の
24編成はインバーター制御の素子がIGBTとなり走行音が大きく変わりました。又ドア上の
案内装置がLED式に変更されています。この仕様は1000系のリニューアル車(1000N系)でも
採用されています。
1000系のリニューアル完了後は同市唯一の幕式表示器車(初期3本のみ)且つGTO式の
VVVF車(24編成以外)となっていました。1000N系がリニューアル後は機器の違いを除き
ほぼ形態が一緒なのに対し、2000系は6本の少数派ながらも形態が3種類に分かれて
興味深い存在でした。
しかし遂にリニューアルが行われる事となり、2015年からまず簡易的に行先表示器の
フルカラーLED化及び座席の更新(セパレートタイプのバケットシート化及びモケット更新、
仕切りポールの追加)が行われ全車完了しています。
そして遂に2021年から機器更新や内装更新を行ったフルリニューアルが開始され、
その第一陣として22編成が1月7日から運行開始しています。
現在は他の1000N・2000系と共に空港・箱崎線及び筑肥線直通運用に就いています。
(一枚目)
・姪浜駅停車中の22編成です。
この編成は行先表示器のLED化(3色)及び側面青帯の追加が行われた最初の編成でした。
姪浜方から1号車となり、2507+2007+2107+2008+2108+2508となっています。
両端は制御車、中間電動車はユニット式となっており2000番台(M車)には制御装置、
2100番台(M´車)にはパンタグラフ及び補助電源とCPが搭載されています。
優美ながらも角型の前照灯が好きで、子供の頃はよく好んで乗っていました。
JRの新形式(303・305系)が103系に続いて直線的なスタイルなので、対照的です。
(二枚目)
・2507の側面です。
窓下の青帯は当初から青・白・青の3本でしたが、今回の更新でまず運転台後部の「F」マークの
下に「2000N]というロゴが入りました。
又一部のドア脇に号車表示の大きなロゴが入り、「ワンマン 地下鉄線内」というステッカーも青く
なって移設されました。元はこれはもっと下に有りましたが、ホームドアで見えにくくなったのか移設
されました。下に貼り跡が見えます。
(三枚目)
・このリニューアルでドア上にも編成全体に渡り青帯が追加されました。
ステッカーの追加と相まって青さがより強調されています。
尚今回のリニューアルでは車体自体には余り手が入っておらず、下枠交差式のパンタグラフ
及び集約分散式のクーラーはそのままです。
車椅子及びベビーカーマークは更新前から貼られていました。
(四枚目)
・2号車で、M1車2007です。
行先表示器のフルカラーLED化は前回の簡易リニューアル時に施行されています。
見にくいですがオレンジ表示の「福岡空港」で、幕式時代も空港線はオレンジ地でした。
英字及び駅ナンバリングも表示されています。
(五枚目)
・3号車2107(M1´車)です。
下枠交差式パンタグラフは2基搭載されています。
転落防止幌もリニューアル前に設置されています。
(六枚目)
・今回の更新で制御装置が更新されています。明らかに綺麗な床下機器が有るので多分
これでしょう。
台車はSUミンデン式ボルスタレス台車で動台車はSS-131(局形式FDT-2)、付随台車は
SS-031A/B(局形式FTR-2A/B)です。独自の形式を定めているのが珍しいですが、国鉄・
JR流のDT(動台車)・TR(付随台車) に倣った様です。
(七枚目)
・制御装置は元は日立製GTO素子を使用していましたが、今回日立Sicハイブリッド
モジュール素子使用のICBT素子タイプとなっています。これにより装置の小型・軽量化が
行われ走行音も静かになりましたが、特徴的なGTOの音は聞けなくなりました。又今回
補助電源も更新され緩衝器も交換されたそうです。もっともブレーキ時はガクンと来ましたが。
(八枚目)
・5号車(M´2車)2108です。
2107と違いは無い様です。
(九枚目)
・福岡空港方先頭車2508です。
貫通扉に貼られていた「ワンマン 地下鉄線内」のステッカーは撤去されました。
前照灯はLED化された様にも見えますが、良く分かりませんでした。
元から先進的なスタイルでしたが、リニューアルで更に若返りました。
九州らしさ満開の303系・305系に比べ大人しいスタイルですが、こちらはこちらで
快適なので甲乙付け難いです。
尚福岡市営地下鉄のパンフレットによると、本工事は平成30年度(2018年)から
令和4年度(2022年)までに全編成施工予定との事です。初の出場が2020年度なので
遅れている気もします。
次回は車内について紹介します。
参考HP 福岡市交通局 ニュースリリース(2021.1.5)
福岡市交通局 令和2年度概要パンフレット
ウイキペディア 福岡市交通局2000系電車