撮影日   2021.2.19(3枚目除く)

撮影場所 各写真に記載

       ※感染対策を行って撮影

 

西鉄バスでは昨年2月12日から、既存のいすゞエルガ大型ノンステップ車1台を電気バスに

改造し、千早駅~アイランドシティ照葉間で朝夕の運行を開始しています。

これは電気バスを夜間に充電し、電力需給が高まる日中に供給して電力の需給バランスを

平準化出来ないか検証するためとの事です。

報道によるとディーゼル車に比べ電気バスにより二酸化炭素の排出量が、半分に減らす

ことが出来るとの事で、ひいては低炭素社会の実現を目指すとの事です。

今回の実証で運行可能距離の測定、電気料金及び動力費の削減効果、非常電源としての

実用性が検証されるとの事です。

 

改造内容は車体後部のエンジンを取り外しリチウムイオン蓄電池を設置しており、車内にも

蓄電池が設置されています。そして夜間に充電を行い、その為の設備が所属営業所の

アイランドシティ営業所に新設されています。営業時以外は営業所の照明としても使われ

非常時の災害用電源として使う事も出来るというのが特徴です。このシステムの開発には

九州電力も協力しており、導入に際し国の補助金が活用されています。

座席の定員は2名減って32名となり、定員は5名減の71人乗りとなっています。

まだ課題として導入費用や充電時の走行距離の短さがネックになっている様ですが、

今後に期待できそうです。

 

元々朝夕の運用に特化して導入するとの事で、少なくとも朝7時から9時までの間に3往復

使われていると聞いていましたが中々見に行く事が出来ませんでした。

しかし本日やっと乗車出来たので紹介します。

 

(一枚目)

・時間の都合上、照葉小中学校前バス停で待っていたら対象の2744号車がやって来ました。

1番 アイランドシティ照葉発千早駅行きで、同路線の快速便にも使われています。

(二枚目)

・車内です。

 

基本的に標準的なノンステップ車の車内で、ローバックシートで前中ドア間の運転士側は

1人掛け、ドア側はサイドシートの標準的な車内です。手すりはオレンジで内装はグレー系、

運賃表示器は液晶式で照明はLEDです。

しかしよく見ると、タイヤハウスのスペースが大きいです。そして運転士側のタイヤハウス側

がどう見ても大きく見えます。恐らくここに蓄電池を設置したと思われ、当然座席は設置

されていません。

 

因みに乗車した感想は、まず大変静かだと思った事です。加速時に少しヒューンと唸る程度

です。そして加減速が大変スムーズです。蓄電池を積んで重くなっていそうですが、

出力に余裕が有るのかも知れません。アイランドシティ営業所には都市高速を走る路線が

多数あるので走ったら面白そうです。更には乗り心地も良く感じました。多分重い機器を

積んで重心が安定しているのではないかと思うのですが、ずっしりとした感じでした。

(三枚目)

・参考写真ですが、以前撮影した同じエルガノンステ2132号車の車内です。

明らかにタイヤハウスの大きさが小さいのが分かります。

もっともこの車両、内装は似通っていますが元は西武バスの中古という異端車なので、

あくまでもタイヤハウス部分のサイズの参考程度で挙げておきます。

(四枚目)

・千早駅に到着しました。

 

この車両は2013年に大量導入されたQPG規制のエルガノンステップ車で、スロープ板

及びニーリング付きです。行先表示器はLEDで、06NS仕様となっています。

運転士側の側面中央部の窓は一部固定窓となっています。

同期の2743も同じアイランドシティ営業所所属で、この車両の前に乗車しました。

2743と共に香椎浜→アイランドシティと歩んでいます。

前面にはベビーカースペース付きです。

 

元は「スマートループ色」でしたが、専用の塗色に変更されています。

黒地に金色で、「ECO」のロゴが描かれていて特別な車両をアピールしています。

西鉄バスではハイブリッド車や過去に存在したCNG車でもロゴ程度だったので、ここまで

アピールされたのは特別な扱いを感じます。

(五枚目)

・後部写真です。バックアイカメラ付きです。

 

後部は白の面積が多く、「CLEAN ENERGY」「ECO DRIVE」「EMERGENCY POWER」と

書かれています。非常電源をアピールしているのが目新しいですね。

左側には「SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS」、即ち今流行りのSDGsという

文字も書かれています。

西鉄グループはアイランドシティ地区の開発に際し、「のるーと」導入など特別な

施策を行っているのでそういった面でもアピールに繋がっているのではないでしょうか。

 

西鉄バスでは過去にCNG車、そして現在はハイブリッド車を一部に導入し環境対策に

取組んでいます。又1950年代にも電気バスが存在しましたが、これは当時のガソリン

不足の為の代替策で環境対策では有りませんでした。

今後もこういった取り組みが広がって欲しいと思います。

 

・車番 2744 ナンバー 福岡200か26-21 年式 2013 所属 アイランドシティ

 形式 いすゞQPG-LV234N3 大型スロープ付きノンステップ車 LED表示器付

 06NS仕様 電気バス改造車 専用色

 

以上です。

 

参考HP  西鉄グループニュースリリース 2019.10.10

      九州電力プレスリリース 2020.7.2

      日本経済新聞電子版 2020.7.2

      朝日新聞電子版  2020.2.10