いわき市の建築設計事務所 まちづくり工房です。
このブログでは、『建築設計事務所 まちづくり工房』の日々の仕事をご紹介いたします。建築設計における考え方や、大切にしていること、デザインから構造など、関心のある事柄を書き綴っています。どうぞ、よろしくお願い致します。
いわき市 建築設計事務所 まちづくり工房
住所 福島県いわき市常磐関船町矢津29-35
TEL 0246(72)1882 FAX 0246(72)1883
E-mail machi-kb@gamma.ocn.ne.jp
HP http://www.kino-kurashi.com
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伝統を語る前に
知っておきたい日本の木造建築工法の展開
私家版 日本の建築技術史 下山眞司
ご興味のある方にはCDを差し上げます。
E-mail machi-kb@gamma.ocn.ne.jp
太田市美術館図書館
ご無沙汰しました。
久しぶりの投稿となりました。
先日群馬県の太田市美術館図書館に行って来ました。
事前に平面図を確認していたのですが、想像のつかない建物でした。
美術館図書館のHPです。フロアマップが記載されています。
http://www.artmuseumlibraryota.jp/guide/
入口からすぐにカフェに入っていて歩いてゆくといつの間にかショップを通り
美術館の受付前から図書館の中にいる、というような境界線の無い場所でした。
カフェや美術館はいくつかの箱におさまり、周りの図書館などの床は坂になっていて
1階と2階の通路でもあります。
次にどんな空間が出てくるのか予測がつかない建物でした。
展示室1を囲む美術館スペース。
3階と2階をつなぐ螺旋階段から見た児童書コーナー。
3階の螺旋階段とレファレンスルーム。
写真でも平面でも、この建物を歩きまわる楽しさは伝えきれないので
ぜひ実際にご覧ください。
K邸の瓦
今回は屋根の瓦のことを少し。
のし瓦を針金で留める形にしました。
地震で揺れた際に、針金を通すか通さないかで瓦の落ち方が変わります。
通さない場合瓦は比較的落ちやすいですが、一枚一枚なので当ってもダメージが少ない。
通した場合は落ちにくい一方、一遍に落下することになります。
難しい判断ですね、K邸では後者をとることにしました。
南蛮漆喰でのし瓦の間を埋めながら留めていきました。
のし瓦はハンマーでコツンと叩くと簡単に半分に割れるように作られています。
南蛮漆喰には防水と瓦を固定する役割があります。
かつては葺き土でしたが雨が少しの隙間から入り込み
土が流れ出てしまうので今は南蛮漆喰を使います。
下の写真は、イタリア、フィレンツェの屋根の写真です。
瓦がバラバラ、日本でこんな瓦を葺いたら雨漏りがひどいことになります。
普通の瓦も雑ですが、棟はさらに雑に見えます。
雨が少なく、乾燥した土地ならではですね。
日本の屋根瓦はきちんと、綺麗に見えます。
久しぶりのK邸
K邸を覚えている方がどれだけいらっしゃるでしょうか……
東日本大震災で中断していたK邸を建てています。
かつて真っ白だった敷地模型は
敷地の色が黄ばんでいます。
計画を始めてまだ10年は経っていないはずだと
過去のブログを遡ったところ、2010年に記事を書いていました。
”昨年から、時間がたっぷりあるということで(後略)”
”多少間延びになるかも知れませんが、設計のプロセスからお伝えしてゆきます。”
https://ameblo.jp/3-mikan/entry-10627798529.html
…………今年は完成します。
刻みの終盤にきたところで気になる箇所が見つかりました。
二階の隅柱がのる梁が弱いのではないかと思いました。
下に柱も無く、この太さの梁一本で支えるのは難しいのではないか。
だんだん不安になり、大工さんと相談しました。
今回は桁の高さと梁の高さがほぼ同じで、桁より大きな梁を載せるにはどうしたら
良いか考えました。梁が二階の外周部にあり、梁の上に重ねても、壁の中に隠れる
ことがわかりました。下ではなく上にのせる形にしました。
部材のずれを防ぐためにカシのダボ栓をいれて合成梁のできあがりです。
次回へ続きます。