2018年9月6日未明(03時07分)
これまでに経験のない大きな揺れが、おんぼろの我が家を襲った。


慌てて起きた時、何かがパッと光ったように見え、食器棚から物が落ちて割れる音がして停電となる。

携帯で確認すると胆振地方震度6強、石狩中部5強、南空知南部5弱…ヤバっ!

厚真町付近を震源とした大地震だ。

札幌の娘からの「生きてる?」とのラインに… 「おう!」とだけ返信し、スリッパを履き周りの状況を確認。
食器が少し割れたようだが、大きな被害は無さそうだ。前日の強風で車庫のシャッターが壊れた方がよっぽど大きな被害だ。

隣に住む一人住まいの母親の無事を確認し、災害対応のため職場に向かう。

信号も消え闇に覆われた国道の交差点を曲がるとき、夢と現実の間にいるような異様な雰囲気を感じた。

職場に到着すると自家発電が光々と灯り臨戦態勢の気配がムンムンだ。いざ修羅場へ。

最前線で情報が錯綜する中、誰もが経験の無い事態に、正確かつ必要な情報を一つひとつ確認し、職員皆で共有しながら問い合わせに対応する。

徐々に被害の状況が分かり、幸い南空知には大きな被害はなさそうだが、全道一斉に停電が発生…。その後少しずつ停電が復旧してきたが、北電に確認しても復旧の順番や目途が分からない。

停電が長期化し、苦情を受けながら二晩が経過。停電が続く方からの電話はストレスが限界に近づいているように感じたが、ギリギリのところで市内のほぼ全域で停電が復旧した。ようやく警戒レベルを引下げ、一部の職員を残して職員たちを家に帰すことができた。

初めての経験だった若手職員らが良く対応してくれた。気の利いた労いの言葉を掛けたかったが「お疲れ様」の一言しか浮かばなかった。

翌日、「疲れは取れたか?」と声を掛けると「はい、大丈夫です」との頼もしい返事が返ってきた。

苫東厚真の発電施設が直るまで、節電しながら警戒も必要だが、何とかこのまま落ち着いてくれることを願っている。