「welcome34」
荒い息を吐いて呼吸を整える雅紀に、
俺は照れ隠しにふざけた様に言った。
「ありがと…、34歳の仲間に入れてくれて」
いつもの綺麗な笑顔。
もっと見たくて、真上から雅紀を覗きこんだ。
「俺と雅紀の同い年期間って…」
「俺がどれだけ1年を走り続けても、ここで振り返る時間を持ててる気がする」
雅紀の長い腕が俺の首にまわされて、
「しょおちゃんが、ようこそ…って俺の手を引いて迎えてくれる期間?」
二人の身体がぴったり重なる。
「雅紀が同い歳になって、俺はちゃんと雅紀におめでとうって言える歳の過ごし方をしたのか?って」
「くふふ、してるよぉ…」
雅紀の優しい声に、
ぎゅぅっと抱きしめた。
「もうちょっとしたら、またしょおちゃんは先にいっちゃうけどね」
「で、また俺にカッコいい35歳を見せてくれるんでしょ?」
「…あたり前だろ」
なんか、…泣きそう。
俺の揺るぎないところに、雅紀はいてくれている…。
確信みたいな安心感が俺を満たす。
「やっぱり、今は貴重な時間だよな」
抱きしめながら、耳元で囁いた。
「時間…また、忙しくなるな」
せっかく貰った3時間、ゆっくり…って。
まぁ、ゆっくりさせてねぇのは俺だけど。
「忙しいけど…、しょおちゃんと同い歳の期間だから、ただ仕事をこなしていくだけの時間じゃないよ」
「いつも以上にしょおちゃんを近くに感じるよ」
もう、離したくねぇんだけど…。
「俺の出来る事はなんでもする、…だから、ちゃんと俺を頼れ、…よ」
「うん…」
そう言っても、雅紀の性格を考えるとなぁ。
俺がちゃんと見ていないと…。
「あー!しょおちゃん!!」
「なんだ?!」
急に大きな声を出して雅紀が俺から離れた。
「もう!シーツにチョコがついてるじゃん!」
「…ごめん」
いや、気にするのそこなのか?
「もったいないし」
あ、枕元によけたケーキを食べだした。
「元気…だなぁ」
まぁ、雅紀が可愛いなら良いけど…。