うさたの倉庫 -34ページ目

うさたの倉庫

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「あの…、この絵本」

昨夜酔って抱きしめたこの子は、
明るい光の中で冷静に見ても…


可憐だった。


「あぁ、その絵本を探していた…」

ドキドキと心臓が早く打って、血圧が上がりそうだ。どうしたと言うんだ?


「昨日、僕…同じ本を拾いました。あなたの絵本じゃないですか?」

「え?」



「あの、ごめんなさい!」

「僕の家に置いてあって」

「持ってきます!ごめんなさい!」

立て続けに頭をさげて謝る姿に、
形の良い丸い頭に思わず見とれてしまいそうになってしまった。

しかし勿論謝ってもらう事でもなく、
むしろ私にはこの子が拾ってくれていたのは嬉しい事で。


「あ、いや…見つかって良かった。無くしたと思っていて」

可愛い頭を漸く上げて、
私を見つめる黒目がちな目は、うっすらと涙が滲んで…。

私の胸を締め付けた。

「しかし、これから約束があって…」


「で、できれば、夜…会ってもらえないか?」


私の…言動は、ちゃんとしているか?

おかしく…見られていないか?


「僕も…その方が、仕事が終わったら…」

安心したように私を見て微笑んだ顔に、
またしても私の鼓動は早まった。

「仕事が終わって家に取りに行くので、どこでも行きます」



「では連絡を…その…電話番号でも…」

「はいっ」





一目惚れなど、あり得ないと思っていた。
よく知りもしない人を好きになるなど。

運命などというモノも信じてこなかった。
そんな言葉ですませたくない事が多すぎて。

だが、これは…

「運命」と、

単純に信じたい自分がいた。