びっくりした!
まさかトナカイさんとまた会えるなんて…。
初めてトナカイさんと会ったクリスマスツリーの横で、家から持ってきた絵本を胸に抱いて僕は色々考える。
何をしてる人なんだろ?
近くに住んでる人なのかな?
絵本が好きなのかな?
だけど、想像しているうちに…
友達になんてなれるわけないだろ?
そんなでびくろくんの声も聞こえる。
「はぁ…、絵本を渡したら、…それだけ、かな」
9時を過ぎて、お店やイルミネーションはだんだんと照明を落としていく。
暗くなってきた街に僕の息の白さが浮かび上がってきた。
「それでもいいや…」
「この絵本がちゃんとあの人に戻れば」
ちらほらと小さな雪が降ってきた。
僕は濡れないように絵本を抱きしめて、
暗い空から降りてくる雪を眺めた。
「遅くなってすまないっ」
「わっ!」
降ってくる白い雪を綺麗だなって眺めてたら、
急にまた抱きしめられてビックリした。
「また、あなたに寒い思いをさせてしまった」
「あ、あの…大丈夫です」
この声はトナカイさんだけど、この人はこんな人なのかな?ビックリしてしまう。
「冷えてしまっているじゃないか、すまない」
謝ってくれてるけど、これはちょっと恥ずかしいかも。
「あの、絵本持ってきました」
なんとかトナカイさんの腕から抜け出して、胸に抱えた絵本の包みを渡す。
「これですよね?」
「あぁ、これだ…」
「ありがとう」
あ…。
凄く優しく笑う人…。
「あの、トナ…クリハラさ…」
「お礼と待たせたお詫びに、良かったら晩御飯でも奢らせてもらえないか?」
僕の危惧とは裏腹に、
強引なほどに腕をとられて、僕はクリハラさんと食事に行くことになった…。