「うまい…」
クリハラさんは僕がつくったフレンチトーストをそれは美味しそうに食べてくれた。
古風な感じの話し方で、
少しかたい感じのお医者さんなのに、
食べてる姿は、
口いっぱいにフレンチトーストをモグモグしてる。
なんだか絵本に出てくるリスみたい。
見てると幸せな気持ちになってくる…。
「くふふ…」
思わず笑い声がもれた。
「なにか可笑しいだろうか?」
クリハラさんが食べるのをやめて聞いてきた。
「あ、ごめんなさい」
食べるのをやめないで、って僕は思わず願った。
「おかしいんじゃなくて、嬉しいなって…」
「嬉しい?」
「僕のつくったフレンチトーストをこんなに美味しそうに食べてくれて…」
…って、正直に言ったらクリハラさんの顔がみるみる赤くなった。
何か食べれないモノでも入ってた?
「何かダメなモノが有りました?」
「え!?」
「顔が赤くなって…」
「サラダとか?ドレッシングが辛かったですか?大丈夫ですか??」
僕は心配になって台所にお水を取りに行った。
「大丈夫、全部美味しいです」
って、クリハラさんは水を受け取りながら言ってくれたけど、大丈夫かな?
「無理はしないで下さいね、残しても大丈夫ですから」
ちょっと申し訳なくて、ごめんなさいって頭をさげたら、
「全部…好きですよ」
クリハラさんの手が、僕の頭を優しく撫でた。