うさたの倉庫 -19ページ目

うさたの倉庫

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「ああ、なんたる事だ…」


ホテルの部屋に戻り、急いで荷造りをする。
荷物という荷物もなく、服や散らばった資料を鞄に詰めながら頭をかきむしる。

「これは病だ」

その証拠に、口のなかは渇き
動悸は激しく、熱まで出ていそうだ。


ホテルのロビーで待ってもらっているヤマモトさんを思い浮かべ、私は更に熱が高くなる。

「顔が熱い…」


諸症状から病名を導き出す。
いつもしている事なのに、目の前の事実ばかりに追われて何も考えられない。

一緒にいて、その声を聞いて笑顔を見ていると、
緊張に…、
その苦しさと心地よさに、
呼吸も止まりそうになる…。


今までの数知れない他人との付き合いのなかで培ってきた、私なりの常識が崩れていく。

離れ難く…離したく無い…。

自分のしている行動の常識性に自信が無くなり、この部屋を出たくない気持ちと、


早く、ヤマモトさんの顔が見たい

その気持ちの葛藤に苛まされる。




しかし、彼の事を思い浮かべると、とたんに胸のあたりが苦しくなり、

私は沸き上がるナニモノカに名前も付けれず、
直ぐに部屋を後にした。