「私の住んでいるところです」
雪が強くなってきて、どうしようかと思っていたら、お城の北側だというクリハラさんのお家に上がらせて貰う事になった。
そこは旅館の様な古風な日本建築の建物で、クリハラさんはそこの2階にすんでいるみたい。
ギシギシと階段をのぼって「桜の間」と書いてる部屋に入った。
「色々古くて…そこの床の穴から、下の住人とやり取りしたりします」
慌てたように床に置かれた本を隅に片付けながら、恥ずかしそうに言うクリハラさんが可愛かった。
「…今日は不在のようですが」
「くふふ、楽しそうですね」
やっぱりクリハラさんのまわりは不思議。
お話の世界みたいに楽しい。
「クリハラさんにぴったりです」
「古くさくて、色々ガタがきてるところですか?」
「あ、いえ…、趣があって…昔ながらの優しさやあたたかさが感じられます」
不愉快にさせてしまったかな、でも古風で素敵なとことかがクリハラさんらしいって思ったんだけど。
「他の住人も面白いヤツらですよ」
「会ってみたいです」
クリハラさんのお友達…クリハラさんに関わる人、皆に会ってみたい。
クリハラさんがどんな人か知りたい。
気がつけば、
そんな、欲深いことをかんがえてしまう。
どうしよう。
好き。
好き…。
想いが溢れて、言ってしまいたくなる。