イチさんのもとに来て初めてのクリスマスイブ。
ツリーを飾り付けて、お料理を作って、幼馴染み直伝のホットワインを住人の皆さんに振る舞ったら喜んでもらえた。
「ねぇ、イチさん」
夜勤明けからそのまま働いて、なんとかイブのぎりぎりに帰ってきたイチさんは、僕が玄関まで迎えに出ると、そのまま気絶する様に眠ってしまった。
「長野はホワイトクリスマスだね」
僕の膝を枕にして、身体にはブランケットを掛けてあげる。
イチさんのカッコいい顔を上から覗きこむ様に見ると、凛々しい眉毛に、くっきりした二重瞼、睫毛も長くて、ぷっくりした唇も可愛い。少女漫画家の描く王子様ってこんな顔だよね。
窓の外は真っ暗闇で、白い大きな雪が降り続けてるけど、イチさんの頭の重みと体温で僕は足からあたたかくなって、心までポカポカするよ。