ブレない男・白洲次郎
たまにはNHKも良い番組を作りますね。
首相 吉田茂の懐刀・白洲次郎(しらすじろう)(明治35-昭和60年、1902-1985年、83歳没)という国士を取り上げたEテレの番組〝知恵泉〟(ちえいず)です。
Principle(原理・原則)を曲げないこの人物の言動は、数々のエピソードで知られており、私は彼のエピソードだけを編集した単行本を持っていますが、代表的なものを三つだけ紹介いたします。
1.GHQ占領下の時代、天皇陛下からマッカーサーへのクリスマスプレゼントを使者として持参した折に、マッカーサーから「そのあたりに置いてくれ」と言われた白洲次郎は、「戦争には負けたが奴隷になったわけじゃない」「いやしくも天皇陛下からの贈り物をそのあたりに置けとは何ごとか」と怒鳴り、マッカーサーは慌ててテーブルを用意させた。
2.サンフランシスコ講和会議において
外務官僚が書き、GHQの事前許可を得た吉田首相演説英文草稿を見て「日本が独立する晴れの日の首相演説に、相手国の言葉で話してどうする」。草稿を日本語に書き換えると共に沖縄や小笠原諸島などの返還要求の内容をGHQに無断で付加する。
3.晩年74歳、軽井澤ゴルフ倶楽部 理事長時代に、田中角栄首相から直々の電話で米高官とのプレイエントリー要請を受けたが「その日はビジターお断り」「どうしてもとおっしゃるなら理事会にかけて決を採ります」とこれを断る。
痛快ですね。
こんな人が現在の政治家や官僚にいればよいのですが。
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今回のNHKでは、Eテレの歴史バラエティ“知恵泉”で前編・後編の2週にわたって白洲次郎を特集。
NHKのEテレは左翼の巣窟と言われることもありますが、今回に限っては違います。
GHQから自衛戦争さえ禁じられた新憲法の草案を押しつけられたことを文書の証拠映像を元に解説していました。
不思議に思って今回の知恵泉の制作者を見ると、先日の拙ブログに書き出した反日制作者の名前はひとりもありません。もしかしたら外部の「テレビマンユニオン」に制作委託したのかも。
知恵泉/白洲次郎前編 2018.10.23火曜22:00~22:45
知恵泉/白州次郎後編 2018.10.30火曜22:00~22:45
(再放送予定2018.11.6火曜12:00~12:45)
見逃した方は→こちら(リンク)
出演:幻冬舎 舘野晴彦、タレント 小島瑠璃子、作家 北康利、旧白洲邸武相荘館長 牧山佳男
司会:新井秀和
制作:NHKエデュケーショナル
制作協力:テレビマンユニオン
制作統括:山崎啓明、牧野望
プロデューサー:高橋才也
ディレクター:加藤敏浩
今から9年前、伊勢谷友介が白洲次郎・中谷美紀が奥様の白洲正子に扮した物語を3回にわたって放送しましたが、これも良い番組でした。
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白洲次郎の関連動画
平成28年9月26日公開1時間18分